「旬の茹で野菜、キクラゲ、クコの実入りのブロス」は、薬膳の素材を取り入れたヘルシーなひと皿。
1968年のホテル創業時から続く老舗名店の心意気
「マン ワー」は、「マンダリン オリエンタル 香港」の創業と同時にオープンしました。その特別感のある雰囲気と、革新し続けてきた料理の揺るぎない美味しさは、地元の方々にも定評があります。東南アジアのフルーツであるリュウガンやブンタン、ココナッツやスペインのイベリコ豚、流行のスーパーフードであるキヌアなど、多様な国の多彩な食材を変幻自在に取り入れたモダンな広東料理を手がけているのは、料理長の
チークゥン・ホンさん。
「常に新しい食材を取り入れながら、広東料理の伝統的な調理方法で作っています。例えば、その一つが食材が生きるように“炒める”こと。中華鍋をダイナミックにふるって空気のエネルギーを入れる感じと言いましょうか、そうすることで特別な香りが立つんです」と、穏やかな口調で語ってくれました。広東料理の繊細な技術をベースに、厳選された上質な素材で作る品々は、時代をリードし続けてきた名店の心意気を感じさせてくれます。
夕陽が沈むにつれて、周囲のビルのネオンが色鮮やかに光り出す。エネルギッシュな香港の夜が始まる。
ビクトリアハーバーを一望しながら「Mバー」のカクテルで喉を潤す
「マン ワー」と同じ、最上階にある「Mバー」は、ビクトリアハーバーを見渡せる絶景スポット。店内中央に配された美しい弧を描くカウンターから、摩天楼が立ち並ぶきらめくスカイラインの壮大な眺めを楽しむことができる大人の空間です。
ここでぜひ試してみたいのは、東洋と西洋の融合をコンセプトとしたオリジナルカクテル。定番のカクテルをアレンジし、きゅうりやくこの実、水出し烏龍茶、紫芋などといった東洋的な食材をプラスした香港らしい新感覚の味覚と出会えます。海岸線に沿ってはるか続く美しい夜景を心ゆくまで眺めながら、グラスを傾ける上質な夜のひとときを過ごしてみてはいかがでしょう。
Information
マン ワー
5 Connaught Road Central, Hong Kong
- ◆ディナーコースは1188香港ドル〜+サービスチャージ10% ◆ランチコースは1人598香港ドル〜+サービスチャージ10%
鈴木ニーナ博美/Hiromi Nina Suzuki
エディター、フォトグラファー