鶏のコンソメ撮影:原 務
「まずは鶏手羽を数時間煮込み、澄んだスープをとります。これをブランサンプルと呼び、ここにひき肉や野菜を加えて第2弾の煮込みをすると、見事な琥珀色のコンソメが仕上がります。コンソメはフランス語で“完成された”という意味があるのですが、その名に恥じぬ天晴なフォンが完成。使用後の手羽でリメイクができないか?というと、それは不可。料理の材料として成立させたいなら、スープに旨味を出しきる前に引き上げるべきで、美味しいスープをとるためにはスカスカになる、それが手羽の使命です」(谷シェフ)。
【材料 作りやすい分量】
・鶏手羽肉(ウイング※) 2kg
・鶏胸ひき肉(冷やしておく) 800g
・玉ねぎ 100g
・にんじん 80g
・セロリ 30g
・卵白 80g
・黒こしょう 小さじ1/3
※ウイングとは手羽元と手羽先がついたもの。
【作り方】
1:ウイングは関節に包丁を入れ、手羽元と手羽先に切り分ける。
2:すべての部位に2~3cm間隔で切り込みを入れ、随を切る。この時、随が切れていればつながっていてもよい。
3:鍋にたっぷりの水、2の手羽を入れ、さっと混ぜて血を出し、すぐに水を捨てる。ここで混ぜすぎると鶏の旨味も逃げてしまうので注意。
4:鍋に手羽、水3.5リットルほどを加え、強火にかける。手羽がくっつかないように、やさしく離す。混ぜると濁るので、手羽同士を離す感覚。こうすることでアクが出やすくなる。
5:チリチリと浮いてくる白いものがアク。火加減は強火のまま。
6:沸騰したら火を弱め、決して煮立たせず、浮いたアクが沈まない火加減を保つ。新しいアクが出てくるがまだ取らない。「アクがアクを呼ぶ」のを待つ。
7:沸騰してから5分ほどすると、アクが固まって茶色がかってくる。ここでガバッと取る。黄色い脂も取る。この脂だけを冷ますと「鶏油」になる。
8:アクをきれいに取ったら水を加え、中火にする。ここからは手羽に触らず、アクが出てきたら待たずに取る。煮立たせない火加減で4時間煮る。
9:水が減ったら足し、最初の量を保ちながら、4時間煮たところ。これを漉したものがブランサンプル。この分量で3リットル完成。
10:冷蔵庫で一晩おいたブランサンプル。固まってゼラチン状になる。