撮影中は自分の芝居をモニターで観ることはなく、試写が初めて観る場に。藤原さんと並んで観て、観終わったあと握手をしたという。100%は無理。でも、それに近い状態で迅という人間になれた
今泉監督は、「考える時間をくれたんですよ。自分で考えて生み出してください、みたいな。気持ちがちゃんとできてからいいものを作ろうっていう、その時間を取ってくれた」と言い、そのせいもあって「100%は物理的に無理ですけど、初めてそれに近い状態で迅という人間になれたかなと思うんですよね」。
以前、舞台『CITY』出演の際のインタビューで、「できることなら自分が出たものは観たくない」と話していた宮沢さん。ところが、今回は少し違ったよう。「あまり自分がどうとかっていうのは、思わなかったですね。自分じゃない役者が出ている作品を観るのと変わらない感覚」だったと言います。さらに、「世界観が美しかったので、何回でも観られるかな」とも。
「何度観ても感じることは毎回違うと思うし、1回観て感じたことも次に観たら覆ることもあるだろうし。たぶん、感情移入するところも毎回違うと思うんですよ。僕が初めて観たときは、やっぱり迅に感情移入しますけど、それ以外にもいろいろな人物が登場して、それぞれの感じることとかトラブルがあったりするので、迅抜きで観たら全然違う感じ方になるんだろうなって。読者の皆さんはたぶん玲奈の気持ちがわかると思うし、渚みたいな男は大嫌いだみたいにたぶん思うでしょうね。でも、たぶんそれも変わると思います。僕も劇場に観に行こうかなって思ってるんですけど、皆さんにも何回も観てほしいですね」
宮沢氷魚/Hio Miyazawa
モデル・俳優
1994年4月24日、アメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコ生まれ。2015年より『MEN’S NON-NO』の専属モデルを務め、17年にドラマ『コウノドリ 第2シリーズ』で俳優デビュー。主な出演作に、ドラマ『トドメの接吻』、『偽装不倫』、映画『映画 賭ケグルイ』、舞台『BOAT』、『CITY』など。3月〜4月に上演されるPARCO劇場オープニング・シリーズ第1弾『ピサロ』に出演予定。
『his』
監督:今泉力哉
企画・脚本:アサダアツシ
出演:宮沢氷魚 藤原季節 松本若菜 松本穂香
配給:ファントム・フィルム
1月24日(金)より新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
公式サイト
https://www.phantom-film.com/his-movie/Ⓒ2020映画「his」製作委員会