藤野幸信さん 365日の贈り花ダイアリー 「フルール トレモロ」オーナー 藤野幸信さんが手がけたブーケやアレンジメントで綴る365日の花日記。贈り花のある、素敵な暮らしのヒントをお届けします。
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誕生日に贈るトリコロールのブーケ
バースデーに贈るブーケのオーダーをいだたきました。パリに憧れている、とてもおしゃれな女の子だとお聞きし、ひと目でフランスの雰囲気が伝わるトリコロールの色合わせにしようと決めました。
赤白のバイカラーと白のチューリップ、白のスイートーピー、そして鮮やかなブルーのルピナスとニゲラ。これで赤、白、青のトリコロールカラーは完成ですが、やはりフレッシュでナチュラルな雰囲気も欲しくなり、明るい緑色のビバーナムも加えて仕上げました。
トリコロールはフランス国旗の配色として知られていますが、赤は友愛、白は平等、青は自由を意味するのだそうです。
国旗では3色は同等の割合ですが、ブーケやアレンジで3色を等しいボリュームにすると、落ち着きのない印象になりがちです。今回は明るさのある白を多めにし、青と赤をアクセント的に使っています。メインとサブで使うボリュームを替えたほうが、バランスのよい仕上がりになります。
もっとトリコロールカラーを強く打ち出すなら、真っ赤な花を加える手もありましたが、今回は若い女性に似合う優しい雰囲気にしたくて、赤と白が自然に混じるバイカラーのチューリップを選びました。バイカラーの花は、2色が自然になじむので、とても使いやすく、花色合わせでも重宝します。
【使用花材】チューリップ ノースキャップ、マウントタコマ、エステララインベルト
ルピナス テキサスブルーボネット
ニゲラ ミスジーキル
宿根スイートピー
ビバーナム スノーボール
贈り花のヒントひとつの花が2つの色を持っているのがバイカラーです。
バイカラーは意外に多く、春の花ではチューリップやラナンキュラス、パンジーなどによくあります。花自身が自然に2色を持っているので、どちらか1色をボリュームアップするだけで、バランスのよい配色が手軽にできます。
花色選びに迷ったときは、バイカラーの品種を探して、色合わせのヒントをもらってください。
下の写真をスワイプしてご覧ください。
藤野幸信/Yukinobu Fujino
広島駅から少し離れた段原の骨董通りにある「fleurs trémolo」(フルール トレモロ)オーナー。
広島大学大学院理学研究科生物科学専攻を卒業後、花の道に進んだ異色の経歴。
店名のtrémoloは音楽用語で震音を表し、「感動で声が震える」ことを意味する。感動する花束を多くの人に届けたい、という思いから、市場を頼らず、自ら生産者情報を入手して、お気に入りの花を集める。何種類もの花を使ったブーケは、エレガントでナチュラル。
制作したブーケのアップを続けているフェイスブックから人気が広がり、全国各地から贈り花のオーダーが届く。
月刊『フローリスト』などの雑誌の連載や表紙などでも人気。2018年6月に新著『季節の色合いを楽しむブーケ』(誠文堂新光社)を発刊。
https://www.fleurs-tremolo.com