藤野幸信さん 365日の贈り花ダイアリー 「フルール トレモロ」オーナー 藤野幸信さんが手がけたブーケやアレンジメントで綴る365日の花日記。贈り花のある、素敵な暮らしのヒントをお届けします。
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転職する仲間へ、シックな花色を集めた惜別の贈り花
月末に近づくにつれ、送別会での贈り花のオーダーが増えてきました。
今回は以前からやりたかった仕事に転職が決まった仲間に、別れを惜しむ仲間から「これからもがんばって!」の気持ちを込めて贈るブーケをご紹介します。
落ち着いた雰囲気のとても素敵な女性と伺い、花色もシックで上品にしようと考えました。濃淡のアプリコット色に少しくすんだ花色を合わせ、明るい緑色のリーフを添えてフレッシュ感あるブーケに仕上げました。
花形の整ったつややかなバラは、エバンタイユドール。フランス語で「金の扇」という意味です。少しくすんだ花色が何ともエレガントで、大人の女性にぴったりの雰囲気。くすみ系のバラの人気の先駆けとなった、ジュリアの次世代品種として期待されているバラです。
黒みがかった赤のガーベラは、蕾のまま出荷されたもので、これから徐々に開いていく姿が楽しめます。新しい道の進む仲間へ、「これから花開く」というメッセージを込めて選んでみました。
仲間と過ごした時間が、このブーケとともに素敵な思い出として、いつまでも残りますように・・・・・・。そう願いながら制作しました。
【使用花材】バラ エバンタイユドール
ラナンキュラス ちほの華、モルバン
蕾ガーベラ
スカビオサ プリティーパープル
ビバーナム スノーボール
ポリシャス
贈り花のヒント3月下旬は会社関係の送別会が多くあります。転勤などもあり、今まで暮らしていた土地を離れる方もいらっしゃると思います。これまでの感謝の気持ちと、あらたな出発へのはなむけに、贈り花は最適なプレゼントだと思います。
ただ、この時期は贈り花のオーダーが集中するので、早めにオーダーをしていただけると、どんなブーケにしようかじっくり考えられて、花屋としてはとても助かります。目安としては、1週間くらい前までにオーダーしていただけるとありがたいです。
下の写真をスワイプしてご覧ください。
藤野幸信/Yukinobu Fujino
広島駅から少し離れた段原の骨董通りにある「fleurs trémolo」(フルール トレモロ)オーナー。
広島大学大学院理学研究科生物科学専攻を卒業後、花の道に進んだ異色の経歴。
店名のtrémoloは音楽用語で震音を表し、「感動で声が震える」ことを意味する。感動する花束を多くの人に届けたい、という思いから、市場を頼らず、自ら生産者情報を入手して、お気に入りの花を集める。何種類もの花を使ったブーケは、エレガントでナチュラル。
制作したブーケのアップを続けているフェイスブックから人気が広がり、全国各地から贈り花のオーダーが届く。
月刊『フローリスト』などの雑誌の連載や表紙などでも人気。2018年6月に新著『季節の色合いを楽しむブーケ』(誠文堂新光社)を発刊。
https://www.fleurs-tremolo.com