そして、このりんご園をお勧めする最大の理由はこちら!
りんごを狩りつつ、小高い丘を登り切れば、この絶景が待っているのです。この時は、まだまだ夏の気配の残る風景でしたが、一週間もすれば、楓の木が真っ赤に色づきニューイングランド最高の季節を迎えます。
こちらが去年の様子です。ここの紅葉を知るまで私は、一年の中で春が一番美しい季節だと思っていました。でも、この紅葉を見て以来、秋も春に勝るとも劣らないほど美しいことを実感しました。
少し汗をかいたあとは名物のアップルサイダーを飲みましょう。日本でサイダーというと炭酸飲料のイメージが強いと思うのですが、アメリカでアップルサイダーと言えば、この生搾り100%のリンゴジュースのことを指します。
とにかくアメリカ人はこのアップルサイダーが大好きで、秋になるとスーパー マーケットやファームスタンドにズラッと並ぶので、私もこれを飲むと秋だな~と感じ るようになりました。
秋風が吹き抜ける丘に座り、取ったばかりのリンゴをかじり、アップルサイダーで喉を 潤す。秋の味覚を全身に感じながら楽しむアメリカのりんご狩りは最高です!
さて、10日間の休暇も終わり、次はいよいよスイスへ向かうため、夏のきものや浴衣はこれで着納め。元々、思い出深いきものたちでしたが、イスラエル、サウジアラビアの旅を経て、より大事な存在になりました。
皆さまのお宅にあるきものたちも何代にも渡って受け継がれ、まさに“身に纏う家宝 ”のようなものではないでしょうか? それはきっと、単に高価な物だからというわけではなく、折に触れ日本人である私たちの人生の節目や転機、ハレの日に常に寄り添ってくれている存在だからなのでしょう。
きものと共に得た思い出が、より一層そのきものを家宝へと変えて行くことを、私もこの旅で実感しているところです。
中東の過酷な夏を一緒に乗り越えてくれた、夏のきものたちに感謝しつつ、一度ここで別れを告げ、また旅に出ます。
次回はいよいよヨーロッパ編のスタート。
スイスの美しい街並みや、自然の豊かさを書き綴ってまいりますので、皆さまどうぞお楽 しみに!
北川聖子/Seiko Kitagawa