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倉科カナさん、江戸川乱歩の迷宮世界『お勢、断行』で魅力的な悪女を演じる

2020.02.05

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〔今月の舞台〕

『お勢、断行』


倉科カナさん

2020年2月28日から上演される舞台『お勢、断行』に、倉科カナさんが出演する。

2017年の舞台『お勢登場』で、江戸川乱歩の短編小説八本を1つの作品に編み上げた劇作家・演出家の倉持 裕さんが、乱歩が創作したお勢という魅力的な悪女をモチーフに書き下ろす新作だ。


「倉持さんの作品への出演は、舞台『誰か席に着いて』(2017年)以来、2度目です。飄々としつつも熱いかたで、発想も言葉の選び方も面白くて大好きなので、またご一緒できて、ご褒美をもらったような気持ちです」

そう話す倉科さんが演じるのは、資産家の屋敷に身を寄せる作家・お勢。資産家の財産を狙って悪事を企てる人々を、自らも罪を犯しながら、独自の倫理観で制裁しようとする。

「プロットを読んで、江戸川乱歩作品ならではの“湿度”を感じました。いろいろな悪がうごめいていて、何が悪で何が善なのか、わからなくなっていきそう。プレッシャーもありますが、とても素敵な手練れのかたがたが揃っているので、失敗を恐れずに、皆さんの胸をお借りしながら稽古していきたいです」

この日は『お勢、断行』の宣伝ビジュアルの撮影があったため、悪女風の妖艶なメイクと衣装だったが、素顔はとてもキュートな倉科さん。

「舞台は、稽古の間に悩み抜いたうえで、本番を迎えられる。私にとって、必要な場所です」と笑う。

現在、32歳。「30代は苦手なことにもあえて挑戦して、自分にないものを身につけていきたい」という。

「この間、ある俳優さんに“苦手なことこそ、いちばん強化するべき。新たな扉が開いて、新しいスキルが身につくよ”といっていただいて、確かにそうだなと思ったんです。実は舞台も最初は苦手だったんですが、逃げてはいけないと思って、事務所に頼んで年に1本やらせてもらっているうちに、大好きになりました。倉持さんが描く乱歩の迷宮世界を、劇場で味わっていただけたら嬉しいです」

倉科カナ(くらしな かな)

1987年、熊本県出身。2009年のNHK連続テレビ小説『ウェルかめ』で主演を務め、注目を集める。以降、テレビドラマを中心に映画や舞台など幅広く活躍している。

『お勢、断行』


『お勢、断行』

世田谷パブリックシアター
2020年2月28日~3月11日
S席7500円ほか
世田谷パブリックシアターチケットセンター:03(5432)1515
公演の詳細はこちら>>
2020年3月に愛知、島根、兵庫、香川、長野公演あり

原案/江戸川乱歩
作・演出/倉持 裕
音楽/斎藤ネコ
出演/倉科カナ、上白石萌歌、江口のりこ、柳下 大、池谷のぶえ、粕谷吉洋、千葉雅子、大空ゆうひ、正名僕蔵、梶原 善
表示価格はすべて税込みです。
取材・構成・文/岡﨑 香 撮影/合田昌弘 ヘア&メイク/YOSHi.T スタイリング/吉村結子

『家庭画報』2020年2月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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