――今回が初顔合わせの森さんの演出はいかがですか? 粘り強く演出される方という印象がありますが。
「日々熱いご指導を受けることができて、とても貴重な経験をさせてもらっているなと感じています。10代20代の頃は、常に自分の中に逃げ出したい気持ちがあって、厳しい演出に耐えられないところがあったんです。若さから突っ張ってしまったり、格好つけてしまったりして、素の部分をさらけ出せなかった。そんな僕も30歳を過ぎて、今は稽古がすごく楽しいです。ダメ出しもすべて本当にありがたくて、長い稽古時間もあっという間に感じるから、不思議ですよね(笑)」
――得るものが多い公演になりそうですね。
「そう思います。僕はあまり占いを信じないほうなんですが、去年の春過ぎくらいに、タロット占いをしていただく機会があって、その占いで“来年の2月に、あなたは大きな転機を迎えるでしょう”と言われたんです。それがたぶん、この『メアリ・スチュアート』なのかなと。しかも千秋楽の日が、ちょうど僕の誕生日なんです。間違いなくこの作品は、僕にとって一つの大きな転機になると思います」
――運命的なものを感じますね。共演の皆さんの印象はいかがですか?
「いろいろな作品で拝見してきた先輩方ばかりで、一緒にお仕事ができることが純粋に嬉しいです。特にシルビアさんは、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』でも共演させていただいた大好きな先輩。僕は自分からなかなかそういうことを言えないタイプなんですが、『ロミオ&ジュリエット』のときは思い切って、シルビアさんに“僕もご飯に連れて行ってください”と、お願いしたんです。そしたら、その何日かあとに、稽古場で“涼介、今日何か予定ある? 肉食べに行くよ”と誘ってくださって。本当にカッコイイ方なんです。今回の共演も楽しみです」
特撮ドラマ『仮面ライダーオーズ/OOO』で演じたアンク/泉 信吾役で注目を集めた。――三浦さんがお仕事をされるうえで、大切にしていることは何でしょう?
「新しい出会いがあったときに、相手に自分のことをゼロから伝える作業って、すごく努力や体力が必要で、僕自身、人と話をすることがどんどん疎かになってきているなと感じているんですね。なので、今こう思っているということを、きちんと素直に伝えられる人間でありたいなと思っています。お仕事だけじゃなく、プライベートでもそうありたいなと」