――もともと引っ込み思案な性格だったりするのでしょうか?
「引っ込み思案というか……ビビりなんだと思います(笑)。先頭を切って歩いてくれる人が自分の前にいないと、道に迷ってしまうというか。こっちだよ!というふうに言ってもらえれば、しっかり歩いて行ける。自ら切り開いていくタイプではないです」
――とはいえ、ひとたび舞台に立つと華があります。
「いえいえ、そんな。そう見えるとしたら、それは衣装やメイクといった自分にプラスしていただくものがたくさんあるから。それでようやく舞台に立っている自分がいます。今日もそうです。普段は本当に、線が入ったジャージしか持っていない僕なので(苦笑)、全部、プラスしてくださる皆さんのおかげです」
――そのギャップがまた魅力なのだと思います。今回の舞台で楽しみにしていること、課題にしていることは何でしょう?
「大先輩の方々の邪魔にならないように、しっかりとついて行きながら、僕自身も楽しんで、皆さんと交流できればなと思います。それが、楽しみにしていること。課題はやはり、セリフですね。量も多いので、セリフにてんてこ舞いしてしまわないように、自分で操ってきちんと届けられるようにしたいです」
今回初めて出演する世田谷パブリックシアターは、小さい頃からよく舞台を観に行っていた思い出ある劇場なのだそう。――理想の俳優像があったら教えてください。
「10代や20代の頃は、一つのものを一生懸命やることが目標というか、こうでなければいけないというものに、すごく縛られていた感覚がありました。でも今は、可能性というものはたくさんあるものだと感じているので、新しい場所に行って、新しい人たちと一緒に、新しいことができる可能性を大切にして、お仕事ができればと思っています。演じることに限らず、歌うことや踊ること、写真を撮ってもらうことも好きですし、そういった幅広いところで何かを残せる人でありたいです」