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失われたにおいと生活の潤いを取り戻す「嗅覚外来」

2020.01.30

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感冒罹患後の嗅覚障害は50代以降の女性に多い


松脇クリニック 品川は、嗅覚障害の原因となる鼻の病気に特化して診療する数少ない専門施設です。

短期滞在型鼻科手術センターを併設し、検査、診断、手術、術後ケアまでワンストップで受けられるのが最大の特徴で、嗅覚トラブルに悩む重症患者の受診が絶えません。

嗅覚障害は3タイプあり、


1)においのセンサーである嗅粘膜ににおいが届かない「気導性嗅覚障害」
2)嗅粘膜にある嗅神経が障害される「嗅神経性嗅覚障害」
3)脳の嗅覚中枢やその経路が障害される「中枢性嗅覚障害」

に分類されます。また、原因となる病気がそれぞれにあり、

1)では慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎など
2)では風邪(感冒罹患後)、脳のう震しん盪とう(頭部外傷後)、抗がん剤治療(薬剤性)など
3)では脳挫傷(頭部外傷後)、脳腫瘍、脳出血、脳梗塞、アルツハイマー型認知症、パーキンソン病などがみられます。

院長の松脇由典先生が勤務していた東京慈恵会医科大学附属病院嗅覚外来の調査によると嗅覚障害の原因となる病気で最も多いのは慢性副鼻腔炎です。

次いで感冒罹患後、アレルギー性鼻炎、頭部外傷後、薬剤性と続きます。

「このうち、中年以上の女性に多い原因が慢性副鼻腔炎と感冒罹患後です」と松脇先生。

生来、女性は嗅覚が優れており、加齢変化においても男性は60歳代から嗅覚が低下し始めるのに対し、女性は70歳代になってからです。

理由は不明ですが、女性ホルモンのエストロゲンが嗅粘膜に保護的に働いているとする仮説もあります。

「ところが、感度がよい分、嗅覚の異常を訴えるのは女性のほうが多いのです。特に感冒罹患後の嗅覚障害は50歳代以降の女性が圧倒的に多いです」。

さらに気をつけたいのが30~40歳代以降の女性に増えている「好酸球性副鼻腔炎」です。

これは難治性の免疫アレルギー疾患で、両側の鼻の中に鼻茸(はなたけ)が多発し手術で取り除いても再発しやすく、成人発症の気管支喘息や解熱鎮痛剤アレルギーを併発していることが多いのも特徴の1つです。

罹患者数は約2万人と推計され、2015年に国の難病に指定されました。
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