集中治療科を新設し高度医療を安全に提供する
泌尿器科に限らず、外科系を中心に最先端医療を次々に導入し、ほかの医療機関では対応できないハイリスク患者を引き受けることも多いなか、田邉先生は病院長に就任以来、医療安全の仕組みづくりにも心血を注いできました。
麻酔科に併設されることの多い集中治療部門を集中治療科として独立させ、専門スタッフを揃えて侵襲性の高い手術や治療中に併発した重篤な症状に速やかに対応できる体制を整えました。
〔安全性と確実性を追求する「未来の手術室」〕同大学先端生命医科学研究所が開発を進めてきた未来型手術室「スマート治療室」が完成し、脳神経外科での臨床研究が始まっている。そして、田邉先生が若いドクターに常日頃から伝えているのは「診断・治療には真摯に取り組み、患者さんの体を練習台にしてはいけない」ということです。「我々の使命はベストな治療をタイミングよく提供すること。そのときに最高のパフォーマンスができるようにトレーニングをしっかり積み、準備を万全にしておくのが患者さんに対する至誠だと思うのです」と田邉先生はいいきります。
東京女子医科大学病院が提供する最先端の医療技術を支えているもの。それは、21世紀の現在も患者を慈しむ心にほかなりません。
〔「正しい情報」を通して患者に寄り添う〕全国でも有数の患者図書館として知られる「からだ情報館」。医療・医学情報を得られるほか、看護師によるミニレクチャーも。