――ウィンさんが演じるのは、ポーランド系移民のトニー(村上虹郎さんとのWキャスト)。敵対するプエルトリコ系移民グループのリーダーの妹マリアと、許されざる恋に落ちます。現時点でいちばん楽しみにしていることは何でしょう?
「とにかく早く全場面通して稽古して、トニーとして生きること。稽古期間中も本番も、きっといろんな壁にぶち当たって、イライラしたり、できない自分にムカついたりすると思うんですが、この舞台で間違いなく成長できると感じているので、本当に楽しみだし、ありがたいです。こんな僕を選んでいただき、ありがとうございます!という気持ちです」
――逆に、課題に感じていることは?
「舞台に立つという部分では、すべてが課題になってくると思うんですが、今いちばん心配なのは公演数が多いこと。毎回どれだけ新鮮に演じられるかというのも課題になると思うし、寒い時期なので体調管理にも気をつけたいです」
――舞台に備えて、体力づくりなどしているのですか?
「体力はあるほうなんです。ダンスボーカルグループ(PRIZMAX)で10年以上活動してきたおかげなのか、“体力おばけ”と言われてます(笑)。ただ、そこに甘えているとヒドい目に遭いそうなので、しっかり準備しなきゃとは思っています」
2019年公開の映画『蜂蜜と遠雷』で、第43回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した。――小学校4年生のときに、ミャンマーから日本にやって来たウィンさん。芸能界に入ったきっかけは、スカウトだったとか?
「はい、14歳のときに恵比寿でスカウトされまして。自分が芸能界に入るなんて、まったく考えていなかったので、びっくりしました。僕はサッカーをやっていて、ずっとサッカー選手になりたかったんです。高校にもサッカー推薦で入れたらと自分では思っていたんですけど、コーチに“お前はセンスがないから、やめたほうがいい”と言われて、あー、そうかって(笑)。今になってみると、はっきりそう言ってもらってよかったです。コーチは見抜いてくれていたのかなって思いますね」
――この仕事をやってよかったなと感じるのは、どんな点ですか?
「たくさんあるんですが……やっぱり、人との出会いがたくさんあることですかね。いろいろな現場で、いろいろな方々とお会いするので、常に新鮮な気持ちでいられます。自分一人だったら、ここまで行くことはないだろうなと思うくらい、いろいろなところにも行かせていただいて。大好きな飛行機にもたくさん乗せてもらって(笑)、ありがたいです」