2013年に公開された映画『藁の楯 わらのたて』以来の共演となる大沢たかおさんと松嶋菜々子さん。共演は、今作で5度目だそう。2030年の日本。全国民の個人情報と健康を管理し、人々の生活に欠かせないライフラインになった医療AI(人工知能)「のぞみ」が突如暴走。年齢や年収、家族構成、病歴、犯罪歴などから人間の生きる価値をはじき出し、命の選別を始め……。のぞみを暴走させたテロリストとして追われながら事件の真相に迫る、のぞみの開発者・桐生浩介を演じるのは、大沢たかおさん。桐生の亡き妻で、同じくのぞみの開発者・桐生望役の松嶋菜々子さんと共に登場です!
——自身が開発した医療AIが運用される世界を見る前に望は病に倒れてしまいます。演じる松嶋さんも、脚本に書かれた2030年のみを知る状態で作品の完成を迎えることになりました。
松嶋菜々子さん(以下、敬称略):自分が思っている以上のものができ上がるんだろうなということを十分感じられるような現場でした。私は数日の撮影だったのですが、その場その場で入江(悠)監督の演出をどんどんやっていくというところがあったので。このシーンはどういうふうに撮るんだろうって、すごくワクワクしながら台本を読んでいましたね。車が突っ込んでくるところとか……。
大沢たかおさん(以下、敬称略):現場でも話したんだよね。車が突っ込んでくるシーンは、僕も疑問で。松嶋さんと一緒になったときに、「あのシーンってCGですか? どうやってやるんですか?」って言ってたから、「まだわからないんだけど、やるっぽいよ」ぐらいな会話をしていたのを僕もよく覚えています。ほかの俳優さんにも言われたんですよね。「どうやってやるんですか」って。それぐらい、台本で読むとありえないシーンもあって。
松嶋:でも、実際にやってらしたんですよね。
大沢:うん。
松嶋:あと、「海で泳ぐんですか? 飛び込むんですか?」とか。
大沢:そう。話しましたね。