——現場では、どんな話をなさってたんですか？
大沢：僕、あんまり本人に話すことはないし、お互いに持ってきた芝居だけで勝負できると思っているんだけど、並々ならぬ思いが病室のシーンにはあったんですよね。だから、包み隠さず、「すごく大切なシーンだと思っていて」っていうのは松嶋さんに話しました。普段、僕、役の話なんか一切しないんですけど。そしたら、なんかもう「わかってますよ」みたいな（笑）。
松嶋：大沢さんも、「すごく大切なシーンだからね」っていう言い方じゃなくて、「大切なシーンだよね〜」っていう感じでしたよ（笑）。だから、「そうですよね〜」って。
大沢：でも、普段そういう話、しないですから。芝居の話なんてしたことないんで。
——今までの共演作でも一度も？
大沢：役の話はしないですね。
松嶋：お互いにしないですね。
大沢：だいたい世間話。だから、言うのもためらったんだけど、どうしても大切なシーンだなと思ったので。
——松嶋さんは、大沢さんからそんな話が出て驚いたりは？
松嶋：話し出したら熱く語るタイプだし。
大沢：タイプ（笑）。
松嶋：大切なことは置いておいて、わざと冗談ぽくさらっとした言い方をするときもあるし、そこに触れずに「楽しくやろう」って軽い感じで場を重たくさせすぎないというか、そういうこともなさる方なので、私の中では大事なシーンだよねっていう話をするのも、そんなに今回は何か違うな、とかそういうふうな感じは特には受けなかったですね。ほかの話ももちろんしていたし。だから、大沢さま……大沢さまじゃない（笑）。
大沢：手紙？ メール？
松嶋：大沢さま（笑）の中にある一面ですよね。
「夫婦役はでき上がった形からのスタートなので、本来は難しいのですが、大沢さんとはいつものテンションですんなり入れました」
