写真撮影中も、和気藹々。松嶋さんが話し、大沢さんがツッコんで、取材場所がスタッフの笑いに包まれる。そんな瞬間が何度もあった。——劇中でも桐生が問いかけられていますが、AIは人を幸せにすると思いますか?
松嶋:幸せにする一つの手助けになるとは思いますが、AIを作り出す人間性が一番大切であって、そこを育てるのは家族であり、人と人との繋がり、思いやり……。生きていく中で大切にしていた、昔も今も変わらないものだと思います。
大沢:僕も人次第だと思うんですよね。AIを人がどう扱うかで、幸せにもするし、不幸にもなる。それはテクノロジーというよりも、そこに携わる人の問題というか。桐生には、亡くなった妻と子供への思いがあって。望はもういないんだけど、魂はちゃんとAIの中に生きていて……って僕はファンタジーで勝手に思っていたんです。家族とか人の繋がりみたいなものがAIをよりよいものにすると、この映画を通してすごく感じましたね。
——というお話を伺うと、やっぱりあの病室のシーンが大切なんだなと感じます。
大沢:そう思いました?
——思います。言えないですけど、最後がああですから。
大沢:そうなんですよね。観てくださる方に、そう思っていただけるといいなと思います。
松嶋:人間がすでにAIに操られ始めている危うさと、家族の絆っていうものとの、崩れかかっている微妙なところを描いているんですよね。だから、あの……そう、そうだ。これは言ってはいけなかった(笑)。
大沢:そう(笑)。
大沢:10年後の未来というよりも、きっと僕たちが生きている間に起きるかもしれない出来事のような気がして。自分はどうなってるのかなとか、こういうことが起こったときに自分は何ができるんだろうなって考えさせられる映画になっていると思います。
大沢たかお/Takao Osawa 松嶋菜々子/Nanako Matsushima
大沢たかお/Takao Osawa俳優
3月11日生まれ、東京都出身。モデル活動を経て、94年に俳優デビュー。映画、ドラマ、舞台と幅広く活躍し、2004年公開の映画『解夏』で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞する。近年の主な出演作に、映画『風に立つライオン』、『キングダム』、フジテレビ開局60周年特別企画『大奥 最終章』、リンカーン・センターシアタープロダクション ミュージカル『王様と私』などがある。
松嶋菜々子/Nanako Matsushima1973年10月13日生まれ、神奈川県出身。96年、連続テレビ小説『ひまわり』のヒロインに抜擢され、本格的に俳優活動をスタート。99年に映画『リング』、2001年に映画『ホワイトアウト』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。近年の主な映画出演作に、『思い出のマーニー』(声の出演)、『祈りの幕が降りる時』、『町田くんの世界』など。現在、『連続ドラマW 頭取 野崎修平』に出演中。
『AI崩壊』
監督・脚本:入江 悠
出演:大沢たかお
賀来賢人 広瀬アリス/岩田剛典
髙嶋政宏 芦名 星
※ 玉城ティナ 余 貴美子
松嶋菜々子/三浦友和
※芦名 星さんの「芦」は、草かんむりの下の「戸」の一画目が斜め下にはねる字体が正しい表記です。配給:ワーナー・ブラザース映画
全国ロードショー中
公式サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/ai-houkai/Ⓒ2019映画「AI崩壊」製作委員会