——では、キヌ子のモテポイントは……？
大泉：突然美しくなって現れるからね。ハッとするし、田島に対してすごく強いんだけど、恋愛に対してはものすごくウブな感じだったり。かわいいよね。あれはたしかに襲いかかりたくなるな（笑）。田島が「好きだっ」て抱きつきたくなる気持ち、わからなくはないね。（田島は）なんとかこう、お願いすればなんとかなっちゃうと思ってたところ、あると思うんですよ。まさか2階から投げられるとは思わなかったでしょうね。あれは驚きました。小池さんは大変だったと思いますけどね。アクション部が殺陣をちゃんとつけているから。けっこう小池さんもビビッてましたね、タンスを担ぐところは。
小池：はい。けっこう重たかったし。こう撮りたいから、もうちょっとこう持ってくれって、言うほうは簡単たけど無理だよみたいなの、あるじゃないですか。あれ、覚えてます？ タンスを担いで、田島に投げようとするときに、「うぉー」って言うんだけど。
大泉：そうだ、そうだ（笑）。
小池：現場で、カラス声が徐々に白鳥に変わっていく、って言って。
大泉：（手をたたいて大笑い）
小池：やってみてって言うんだけど、できなくて（笑）。
大泉：言ってたね（笑）。ここでカラス声が取れてくんだ、みたいなね。格闘シーンなんだけども、監督はもう究極のラブシーンを撮ったってことなんでしょうね。私にも似たようなことを言ってましたよ。
小池：お尻を舐め回すように見ろとか（笑）。私がカラスミを取りに行ったときの。
大泉：酒を持って、もっと尻を見てくれ、と。私はもっと格好いい役だと思ってて（笑）。女にもモテて、別れていくところは情けないにしても、どこかモテる要素がなきゃいけないと思ってたんだけど、監督の演出で変態性が足されてくるから、「これもう変態じゃないですか」って。監督は「大丈夫、大丈夫。絶対そう見えない。絶対かわいく見える」とか言うんだけど、舐め回すように尻を見ろとか、尻にしがみついた瞬間恍惚の表情を浮かべろとか（笑）。本気？っていう。演出も細かくてね。「抱きついて、抱きついて。抱きついた瞬間にカメラに向かって恍惚の表情をしてくれ」って。
小池：あの顔、面白かったなぁ（笑）。
自身の役・キヌ子は、「孤児院育ちで苦労をした、すごく自立した人。人生の楽しみ方も知っている。女性として憧れます」と小池さん。
