成島監督によれば、カメラが回っていないところでも2人の掛け合いは繰り広げられ、2人のつくる雰囲気で楽しい現場になったとか。——田島とキヌ子に負けず劣らず、ほかの登場人物も個性豊かですね。
小池:連行先生の適当加減がいいんですよね。松重さんのちょっとした目とか眉毛の動かし方の表情とかも面白かったなぁ。皆川(猿時)さんも好きでしたよ。
大泉:皆川さん、面白いよね。
小池:シベリア行ってたのに太ってるっていうのがもう面白くて。食べられなかったんじゃないのかっていうね(笑)。
大泉:そうだねぇ。相当食ってるよね。丸々太って現れて。
小池:それで戦争のときの悲惨さを語ってるわけじゃないですか。悲壮感が一切ないっていう(笑)。女性陣もずいぶんキャラクターの強い人たちで。愛人たちを見ていたら、私が一番マシなんじゃないかと思いますよね。だから、収まるところに収まったっていう、けっこうな女性たちですよ。実際につきあったら大変だよっていう(笑)。
大泉:そうですね。がっくん(濱田 岳さん)もいい。金を持ってどんどん変わっていって総金歯になったんだけど、現場で全然しゃべれないのよ(笑)。
小池:滑舌が急に悪くなっちゃって。
大泉:でも、般若心経みたいなのを全部言え、みたいに言われてて(笑)。相当、苦労してたね。真面目だから一生懸命やろうとするんだけど、全然何言ってるかわかんないわって(笑)。
小池:(金歯を)かぶせてて取れそうだから気にしてしゃべってたら、あわわわって?
大泉:単純にめちゃくちゃでかいんじゃないの、あれ。全然しゃべれなくなちゃうんだもん。
——では、最後に見どころを。
大泉:すべてが魅力的なお話で。いろんな女優さんが出てきて、その人と田島がどうやってグッドバイしていくのかっていうのも面白いんだけど、やっぱりキヌ子っていう、普段は担ぎ屋で汚い格好をしていて、それがわかりやすく絶世の美女に変わるっていう、『プリティ・ウーマン』みたいな、『マイ・フェア・レディ』みたいな。この魅力的な役を小池栄子さんに演じさせたっていうのが、この映画の勝利ポイントというか。あんまりまだほら、小池さん、そういう役ってそんなにやってないもんね。
小池:そうですね。
大泉:だから、そこにいち早く目をつけて、やったもん勝ちっていう気がしますね。素敵ですよ。小池さんは、こういう素敵な一面もあるんだっていうのがこの映画で紹介できて。この人はすごくファンの多い人だから。小池栄子、いいね、っていう人が多いわけですよ。その中で、また真ん中でこういうすごく美しい人とかもやっちゃうんだっていう新たな魅力が全開に観られるんじゃないですかね。
大泉 洋/Yo Oizumi
小池栄子/Eiko Koike
大泉 洋/Yo Oizumi俳優
1973年4月3日生まれ、北海道出身。演劇ユニット・TEAM NACSメンバー。深夜番組『水曜どうでしょう』レギュラー出演を機に、ドラマや映画、舞台など多数の作品に出演。エッセイ集を出版するなど、ジャンルを問わず幅広く活躍する。映画『ママをやめてもいいですか!?』(ナレーション)、『新解釈・三國志』が公開待機中。2020年は、舞台『ART』と『大地』への出演も控えている。
小池栄子/Eiko Koike俳優
1980年11月20日生まれ、東京都出身。98年、ドラマ『美少女H』の主演で俳優デビューして以降、数多くのドラマ、映画、舞台、バラエティなど幅広く活躍する。主な近作に、映画『空飛ぶタイヤ』、『SUNNY 強い気持ち・強い愛』、『記憶にございません!』、ドラマ『わたし旦那をシェアしてた』、『リーガル・ハート〜いのちの再建弁護士〜』、『俺の話は長い』、舞台『近松心中物語』など。
『グッドバイ〜嘘からはじまる人生喜劇〜』
原作:ケラリーノ・サンドロヴィッチ(太宰 治『グッド・バイ』より)
監督:成島 出
脚本:奥寺佐渡子
出演:大泉 洋 小池栄子
水川あさみ 橋本 愛 緒川たまき 木村多江
皆川猿時 田中要次 池谷のぶえ 犬山イヌコ 水澤紳吾/戸田恵子
濱田 岳/松重 豊
配給:キノフィルムズ
2月14日(金)より全国ロードショー
公式サイト
http://good-bye-movie.jpⒸ2019「グッドバイ」フィルムパートナーズ