様々な役柄を演じわけ、多数のドラマや映画に出演するほか、吹き替えやナレーションも務め、監督としても活躍する津田寛治さん。相手の芝居も人柄も全部受け入れて演じた医師・今井俊行役
いつか大切な人にも、自身にも必ず訪れる死。どう生き、どう死ぬのか、考えたことはありますか? それを考えるきっかけにきっとなるだろう映画『山中静夫氏の尊厳死』は、末期がんを宣告され、最期を迎えるために故郷・長野に戻って自身のお墓を造り始める山中静夫と、彼を最期まで見守る呼吸器内科医・今井俊行の姿を通し、人間が死んでいくことの意味、最期まで生き抜くことの意味を観る人に問いかけます。
「今までの現場以上に受け身なお芝居をしていた」と言うのは、今井役の津田寛治さん。クランクイン前から、「遺族の方がいたり、若い医師がいたり、患者がいたりという中で、今井はたぶん全部自分の中に入れ込んだんだろうなという気がしたんです。だから、自分もどんどん入れていこう、相手のお芝居も人柄も含めて全部入れよう。そういう感じで演じようと思っていました」。そうして、どんどん受け入れていくことによって今井は、うつ病を発症してしまいます。