——今作の中谷さんのビジュアルは、視聴者にはかなり新鮮に映るかもしれません。役へのアプローチとして、金髪のショートヘアにすることで、こういう女性に見えるかなとかこういう女性像が描けるかなという狙いがあったのでしょうか？
「金髪は監督のアイディアで。既成の枠にとらわれない女性ということを表現したくて金髪というご提案だったのではないかなと勝手に解釈しています。演じる上で、風貌を変えることで他人に感情移入しやすくなるんです。人って仮面をかぶるとなんでもできるような気分になりますよね。ハロウィンもきっとそうなんだと思うんです。私たちはそれを仕事としているといいますか（笑）。金髪であったり、華やかな衣装が、奈良リミという人に私を導いてくれたように思います」
——劇中、「写真を撮ることによってしか回復できない感情がある」というセリフがあります。中谷さんには、何かによってしか回復できない感情や、回復にはこれが必要だというものはありますか？
「演じることによって失うものが多いんですよね。演じる作業は、身を削るようなものでもあったり、自分自身のプライベートを犠牲にしなければできない職業なので。そのぶん回復という意味では、リミは写真を撮ることによって回復しているかもしれないですけれども、私自身は人さまが作った美しいもの。器であったり絵画であったり音楽であったり、美しいものに触れて自分の心が回復します。自然もそうですね。自然に触れるということをしています」
本作では、SNSも重要なポイントに。中谷さん自身は「気が進まないんですよね、自分の日常を事細かに皆さまにお見せすることが」。
