煎茶や抹茶をはじめ、国内外の茶葉に造詣が深いお菓子研究家の本間節子さん。茶葉を使った料理やお菓子のレシピを多数手がけています。
「日本茶は栄養素のバランスがよく、積極的に日常でいただきたいもの。実は高級な茶葉は、そのまま食べても楽しめるくらいおいしいんです。
急須で淹れたあとの茶葉にも、ビタミンAやビタミンE、食物繊維などの栄養が残っているのですが、どうしても出がらしとして捨ててしまうことが多いですよね」。
そう語る本間さんが、最近見つけたのが、老舗「福寿園」の「食べるお茶シリーズ」です。その名のとおり、栄養たっぷりの茶葉を余すところなくいただくために工夫された商品です。
左から〈食べる緑茶〉〈お茶の佃煮〉〈食べる碾茶〉。3つセットで2948円(税込み)/福寿園 京都本店「〈緑茶〉〈碾茶〉〈佃煮〉の3種類があります。〈緑茶〉と〈碾茶〉は、茶葉を適度に粉砕したもので、ご飯に混ぜたり、食材とあえるなどさまざまな使い方ができます。
〈佃煮〉は宇治茶の茶葉と削り節が甘しょっぱく炊かれています。日持ちがして、サイズもコンパクトで軽いので、遠方に住むかたやお年を召したかたへの手土産に重宝しています」。
料理教室を主宰する本間さんは、生徒さんやお友達と、料理やドリンクを持ち寄って食事会をすることもしばしば。そんなときにも大活躍するそうです。
手前のカナッペは、クリームチーズに〈佃煮〉をあえてイクラをのせたものと、〈緑茶〉をあえてオレンジピールをトッピングしたものの2種。中央のマリネは、かぶと〈碾茶〉と金柑を、塩とオリーブオイルであえたもの。デザートのいちごのクレープは、〈緑茶〉を生地と生クリームに混ぜて、お茶の風味でさっぱりとした味わいです。「春に向けて、鮮やかな緑色がお料理に映えます。どの商品も、塩気のある食材と相性がいいので、例えばクリームチーズとあえてカナッペに。また、クレープや焼き菓子の生地に混ぜ込むと、爽やかな風味になります。
〈碾茶〉は、かぶなどの野菜とあえると、野菜の水分で葉が開き存在感が増します。火を通しても風味と香りを損なわないのがいいですね。茶葉を食べて楽しむきっかけ作りに、おすすめです」。
本間節子(ほんま・せつこ)さん
お菓子研究家、日本茶インストラクター。少人数の菓子教室「atelier h(アトリエ エイチ)」主宰。『日本茶のさわやかスイーツ』(小社刊)や、『ほうじ茶のお菓子』(主婦の友社)など 表示価格はすべて税込みです。
撮影/角田 進
『家庭画報』2020年3月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。