藤野幸信さん 365日の贈り花ダイアリー 「フルール トレモロ」オーナー 藤野幸信さんが手がけたブーケやアレンジメントで綴る365日の花日記。贈り花のある、素敵な暮らしのヒントをお届けします。
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地元で栽培された花を使ったブーケでお別れのご挨拶
奥さまは日本人、ご主人はオランダ人。奥さまが生まれ育った長崎で暮らしていましたが、オランダで新しい生活をスタートさせることになり、お世話になった方に花でお別れのご挨拶をしたいとのご依頼を受けました。花を贈るお相手は、長崎県佐世保市にお住まいだと聞き、「だったら!」と閃きました。
佐世保市といえば、いつもセンス抜群の花を生産してくださる「ワイルドプランツ吉村」さん。地元で育てられた花を集めてブーケにしよう、と決めました。
ちょうど、とても愛らしいマーガレットのドリームカシスと、ブルーに染められたマトリカリアのブルーワンダーが届いています。2種の小花をアクセントとして生かせるように、淡いピンクのシャクヤクと黄緑色のリシアンサスの2種の大きめの花を合わせました。大小のサイズ感の対比から、小花のかわいらしさがよりアピールできると思います。
4月も後半になると気温も上がり、春から初夏への変わり目を感じさせます。ちょうど出回り始めたベル咲きのクレマチスと、繊細な草姿が魅力のタリクトラムを加え、その季節感を表現してみました。
とてもお世話になった大切な方だとお聞きしています。初夏の始まりを感じさせるさわやかなブーケで、その思いがちゃんと伝わることを心から願っています。
【使用花材】マーガレット ドリームカシス
マトリカリア ブルーワンダー
シャクヤク ルーズベルト
リシアンサス アンバーダブルホップ
クレマチス 篭口(ロウグチ)
タリクトラム
アスチルベ ライトパープル
フランネルフラワー
ビバーナム スノーボール
贈り花のヒント4月下旬から、流通する花が大きく変わります。チューリップやスイセンなどはほぼ終わり、アネモネやラナンキュラスも終わりに近づきます。代わりに入荷してくるのが、初夏を感じさせる花々です。
シャクヤクはこれから6月にかけて、ぜひメインで使いたい花。マーガレットも出回る種類が豊富になります。また、風情があるクレマチスや、ライラックやアジサイなど、初夏を代表する枝ものも出回り始めます。
この時期の贈り花は、季節の変わり目を意識した花選びをすることが大切。ひと足早く初夏の到来を感じさせる花を選ぶように心がけてください。
下の写真をスワイプしてご覧ください。
藤野幸信/Yukinobu Fujino
広島駅からほど近い段原の骨董通りにある「fleurs trémolo」(フルール トレモロ)オーナー。広島大学大学院理学研究科生物科学専攻を終了後、花の道に進んだ異色の経歴。感動する花束を多くの人に届けたいという思いから、市場からだけでなく自ら生産者情報を入手してお気に入りの花を集める。何種類もの花を使ったブーケは、エレガントでナチュラル。著書
『大切な人への贈り花』も好評。
https://www.fleurs-tremolo.com 『人気フローリストが教える フラワーアレンジのデザイン&ヒント78 大切な人への贈り花』
誕生日、結婚記念日、ウエディングなど、78例のブーケ&アレンジメントを色別に掲載したオールカラーの大判の単行本。色別花図鑑コラムや全国の生産者データなどお役立ち情報やインデックスも充実。大切な人へ花を贈る際のヒントが満載です。