藤野幸信さん 365日の贈り花ダイアリー 「フルール トレモロ」オーナー 藤野幸信さんが手がけたブーケやアレンジメントで綴る365日の花日記。贈り花のある、素敵な暮らしのヒントをお届けします。
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好感度抜群のピンクアレンジをクリニックの開院祝いに
幅広い年齢層に人気があり、女性からも男性からも「かわいらしい」と評価される花色がピンクです。クリニックの開院祝いのご依頼を受け、そこを訪れるすべての方の心を明るくするようなピンクのアレンジを作りました。
まずは、シャクヤク、リシアンサス、マーガレット、ガーベラのピンクを集めました。まん丸の濃いピンクはシャクヤクの蕾です。かわいらしいでしょ、この形!
ふりふりのリシアンサスに、花形のくっきりしたガーベラ、そして小型のマーガレット。花形もサイズも異なるピンクを選んでいるのがポイントです。
この愛らしいピンクをさらに明るく引き立ててくれる色といえば、反対色にあたる黄緑色です。蕾ガーベラの蛍光色のようなインパクトのある黄緑色と優しいビバーナムの黄緑色を選んで加えてみました。
初夏を感じさせるさわやかさも欲しく、宿根スイートピーの白花も加えて仕上げました。花の種類を多く使ったので、華やかな雰囲気になったと思います。
クリニックに訪れる方はどなたも何かしらの不安をお持ちです。花を目にし、それが少しでも解消されるといいなと思いながら挿しました。
【使用花材】シャクヤク コーラルチャーム
リシアンサス ハピネスピンクチーク
蕾ガーベラ各種
マーガレット ドリームカシス
宿根スイートピー
ビバーナム スノーボール
贈り花のヒント冬から初夏にかけて私がもっとも使うグリーン素材が、ビバーナムのスノーボールではないかと思います。ビバーナムはガマズミの仲間で、初夏に花咲く庭木として人気があります。
切り花でよく流通するのがスノーボールで、白い花がボール状に集まって咲くかわいらしい品種です。開花する前の蕾のときの淡く優しい緑色がとても美しく、どんな花色とも合わせやすいのが魅力です。
アレンジやブーケをナチュラルに仕上げたいとき、また濃い葉色では印象が暗いと感じたときは、スノーボールを利用するのがおすすめです。ふんわりした花房なので、花と花の間を埋めるクッションフラワー的な使い方もできます。
下の写真をスワイプしてご覧ください。
藤野幸信/Yukinobu Fujino
広島駅から少し離れた段原の骨董通りにある「fleurs trémolo」(フルール トレモロ)オーナー。
広島大学大学院理学研究科生物科学専攻を卒業後、花の道に進んだ異色の経歴。
店名のtrémoloは音楽用語で震音を表し、「感動で声が震える」ことを意味する。感動する花束を多くの人に届けたい、という思いから、市場を頼らず、自ら生産者情報を入手して、お気に入りの花を集める。何種類もの花を使ったブーケは、エレガントでナチュラル。
制作したブーケのアップを続けているフェイスブックから人気が広がり、全国各地から贈り花のオーダーが届く。
月刊『フローリスト』などの雑誌の連載や表紙などでも人気。2018年6月に新著『季節の色合いを楽しむブーケ』(誠文堂新光社)を発刊。
https://www.fleurs-tremolo.com