藤野幸信さん 365日の贈り花ダイアリー 「フルール トレモロ」オーナー 藤野幸信さんが手がけたブーケやアレンジメントで綴る365日の花日記。贈り花のある、素敵な暮らしのヒントをお届けします。
記事一覧はこちら 4月24日の贈り花
元気いっぱいの女性に似合う黄色を送別のブーケに
退職される女性スタッフに、職場の皆さんから感謝の気持ちを贈るブーケです。元気いっぱいで、彼女がいると職場の雰囲気がパーッと明るくなる方だそうで、そんな彼女に似合う花色は黄色ではないかと考えました。
優しい黄色のバラとアルストロメリアをメインにし、アジサイやビバーナム、シレネなどたっぷり緑色を加えたブーケにしてみました。かわいらしさも欲しくて、花の中心部までピンクの小さなマーガレット ドリームカシスをアクセントに使いました。
フレッシュで透明感のあるブーケになったと思いますが、ポイントはアルストロメリアにあります。このアルストロメリアは日本で育種されたスポットレスタイプ。アルストロメリア特有のスポット(斑)が入らないので、花色に透明感が感じられます。淡い黄色に少し加わる緑色の刷毛目模様もさわやかな印象です。
育種の力はすごいですね。アルストロメリアはスポット(斑)が個性的で目立つため、従来はエキゾチックな雰囲気に感じられたのですが、スポットレスタイプは本当にさわやかで清楚な印象です。
【使用花材】バラ カタリナ
アルストロメリア 朧月(おぼろづき)
マーガレット ドリームカシス
シレネ 小布施の郷
アジサイ エスメラルダ
ビバーナム スノーボール
フランボワーズ
贈り花のヒント黄色といっても、ビビッドな黄色からレモンイエロー、パステルイエローまでさまざまな花色があります。
元気さを表現したいなら、ビビッドな黄色を選ぶのがおすすめですが、今回は贈る相手が優しい方だとお聞きしていたので、メインの花のバラに黄色に少し白が加わったパステル系を選びました。アルストロメリアはレモンイエロー。同じ黄色でもニュアンスの異なる花色を選ぶと、ブーケの表情が豊かになります。
下の写真をスワイプしてご覧ください。
藤野幸信/Yukinobu Fujino
広島駅からほど近い段原の骨董通りにある「fleurs trémolo」(フルール トレモロ)オーナー。広島大学大学院理学研究科生物科学専攻を卒業後、花の道に進んだ異色の経歴。店名のtrémoloは音楽用語で震音を表し、「感動で声が震える」ことを意味する。感動する花束を多くの人に届けたい、という思いから、市場を頼らず、自ら生産者情報を入手して、お気に入りの花を集める。何種類もの花を使ったブーケは、エレガントでナチュラル。制作したブーケのアップを続けているフェイスブックから人気が広がり、全国各地から贈り花のオーダーが届く。月刊『フローリスト』などの雑誌の連載や表紙などでも人気。
https://www.fleurs-tremolo.com 『人気フローリストが教える フラワーアレンジのデザイン&ヒント78 大切な人への贈り花』
誕生日、結婚記念日、ウエディングなど、78例のブーケ&アレンジメントを色別に掲載したオールカラーの大判の単行本。色別花図鑑コラムや全国の生産者データなどお役立ち情報やインデックスも充実。大切な人へ花を贈る際のヒントが満載です。