藤野幸信さん 365日の贈り花ダイアリー 「フルール トレモロ」オーナー 藤野幸信さんが手がけたブーケやアレンジメントで綴る365日の花日記。贈り花のある、素敵な暮らしのヒントをお届けします。
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トートバッグいっぱいの花をお世話になったお礼に贈る
とても楽しい提案をお客さまからいただきました。お世話になった方にお礼の贈り花をしたいそうですが、お客さまが持っていらっしゃったのが、ブルーの持ち手がアクセントのしゃれたトートバッグ。
「このバッグにあふれんばかりの花をアレンジしてほしいんです」と。それを伺ったとたん、パーッとイメージが広がり、うきうきした気分になってきました。
持ち手の色に合わせて、花はブルーをメインにしよう。「あふれんばかり」を実現するにはふんわりとした花が必要、そうだ、ベースにビバーナムのスノーボールをたっぷり使おう。季節感が伝わる花が欲しいなー、奥信濃からスズランを届けてもらおう! などと考えていたら、アレンジする前からテンションが上がってきました。
揃えた花は、ムスカリと染めのアスチルベの美しいブルー、スズランと宿根スイートピーの清楚な白、そして優しい緑色のビバーナム スノーボール。さて、これをトートバッグにどのようにアレンジしようか、と考え、ラップでしっかりくるんだフローラルフォームをバスケットに入れ、それをバッグの中に収めて花を挿すことにしました。
野に咲く花を摘んで、トートバッグに入れて持ち帰ってきたみたいな、フレッシュ感のあるアレンジに仕上がったと思うのですが、いかがでしょう?
ちなみにトートバッグにプリントされている28という数字は、結婚28周年を意味しているのだそうです。お世話になったご夫妻の結婚記念日に合わせた贈り花にしたくて、「2★8」とプリントをオーダーしたのだそうです。
お相手の方を喜ばせたいという、贈り物に対する素敵な気遣いに本当に感心しました。この贈り花は、きっとお相手の方の記憶に深く刻まれると思います。
【使用花材】ムスカリ
アスチルベ アイブルー(染め)
スズラン
宿根スイートピー
ビバーナム スノーボール
贈り花のヒント花器やバスケットを持参されて、それにアレンジをというオーダーもよくいただきますが、トートバッグという今回のアイディアはとても新鮮でした。花器なども含めての贈り花は、相手の方に大きなインパクトを与えると思います。
相手の方の好みの器でも、自分の好きな器でもよいと思います。また、アレンジは花屋で作ってもらい、ラッピングにトートバッグなどを利用してもよいと思います。トートバッグに入れた花を手渡すシーン、なかなか素敵ではありませんか。
下の写真をスワイプしてご覧ください。
藤野幸信/Yukinobu Fujino
広島駅からほど近い段原の骨董通りにある「fleurs trémolo」(フルール トレモロ)オーナー。広島大学大学院理学研究科生物科学専攻を終了後、花の道に進んだ異色の経歴。感動する花束を多くの人に届けたいという思いから、市場からだけでなく自ら生産者情報を入手してお気に入りの花を集める。何種類もの花を使ったブーケは、エレガントでナチュラル。著書
『大切な人への贈り花』も好評。
https://www.fleurs-tremolo.com 『人気フローリストが教える フラワーアレンジのデザイン&ヒント78 大切な人への贈り花』
誕生日、結婚記念日、ウエディングなど、78例のブーケ&アレンジメントを色別に掲載したオールカラーの大判の単行本。色別花図鑑コラムや全国の生産者データなどお役立ち情報やインデックスも充実。大切な人へ花を贈る際のヒントが満載です。