藤野幸信さん 365日の贈り花ダイアリー 「フルール トレモロ」オーナー 藤野幸信さんが手がけたブーケやアレンジメントで綴る365日の花日記。贈り花のある、素敵な暮らしのヒントをお届けします。
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美しい国産のバンダを結婚記念日に奥さまへ
26周年目の結婚記念日に奥さまへの贈り花の依頼をいただきました。毎年欠かさず、結婚記念日に花を贈っていらっしゃるそうで、継続も一つの愛だと感じました。
奥さまが好きなパープル系で、というオーダーをご主人からいただいたとき、ぜひ使いたい花が思い浮かびました。
ランのバンダは濃い青紫が定番の花色ですが、じつは白やピンクなどの花色もあります。今回使いたいと思ったのは、ラン・バンダのブルースポットという品種です。白地に淡いパープルのドット模様が入っている、とても個性的でしゃれた花です。
輸入花もありますが、国産のほうが全然きれい! 国産限定で市場に取り寄せをかけたところ、すばらしいクオリティのバンダが届きました。
存在感のあるバンダはもちろん主役です。もう一つ、第2の主役花としてシャクヤクを選びました。まだ蕾の状態ですが、開いていく過程も楽しめ、ふんわりと大きく花開くと、ブーケの印象もより優しくエレガントになります。手渡されたときとその後で、異なる印象を楽しんでいただけたらと考えました。
脇役にはライラックや宿根スイートピーの青花を選び、たっぷりのグリーン素材を添えました。
高級感のあるバンダと季節感のある花々の組み合わせで、ナチュラルながら気品のあるブーケに仕上がったと思います。淡いパープルの花色が初夏のさわやかさにぴったりです。
【使用花材】ラン・バンダ ブルースポット
シャクヤク フェスティバマキシマ
ライラック
スイートピー ブルーフレグランス
ビバーナム スノーボール
グリーンシュガーゼラニウム
贈り花のヒント高級感のある贈り花にしたいときに利用したいのがランの仲間です。ファレノプシス(胡蝶蘭)やデンファレ、などが定番ですが、バンダも1年を通して出回ります。
タイなど東南アジアからの輸入も多いのですが、国内では岐阜県などでよく栽培されていて、国産のバンダは新鮮で花も長持ちします。花が大きく、花色も個性的なので存在感があり、高級な雰囲気がひと目で伝わると思います。
下の写真をスワイプしてご覧ください。
藤野幸信/Yukinobu Fujino
広島駅からほど近い段原の骨董通りにある「fleurs trémolo」(フルール トレモロ)オーナー。広島大学大学院理学研究科生物科学専攻を終了後、花の道に進んだ異色の経歴。感動する花束を多くの人に届けたいという思いから、市場からだけでなく自ら生産者情報を入手してお気に入りの花を集める。何種類もの花を使ったブーケは、エレガントでナチュラル。著書
『大切な人への贈り花』も好評。
https://www.fleurs-tremolo.com 『人気フローリストが教える フラワーアレンジのデザイン&ヒント78 大切な人への贈り花』
誕生日、結婚記念日、ウエディングなど、78例のブーケ&アレンジメントを色別に掲載したオールカラーの大判の単行本。色別花図鑑コラムや全国の生産者データなどお役立ち情報やインデックスも充実。大切な人へ花を贈る際のヒントが満載です。