除菌成功率を高めるためには治療薬を飲みきることが重要
ピロリ菌の除菌治療は標準化されており、どの医療機関でも同じ方法で行われます。
各種検査によりピロリ菌の感染が確認されたら2種類の抗生物質と胃酸分泌抑制薬の計3剤を1日2回、7日間連続で服用します。
「除菌成功率を高めるためには決められた用法用量をしっかり守り、薬を飲みきることが重要です」。
ちなみに、2015年に発売された新しい胃酸分泌抑制薬を用いることで、60パーセント台まで低下した除菌成功率が85~90パーセントまで改善しているそうです。
除菌できなかった人に対する高次除菌や抗生物質アレルギー者への除菌にも対応
最初の治療(1次除菌治療)を受けてから偽陽性を防ぐ目的で2か月後に除菌判定を行い、ピロリ菌の有無を確認します。
除菌できなかった人は、2種類の抗生物質のうち1種類を別の薬に替えて、2次除菌治療を行います。
「近年、1次除菌治療で使われる抗生物質のクラリスロマイシンに対する耐性ピロリ菌が増えており、1次除菌治療で除菌できなかった原因の多くは、この影響を受けています。一方、薬を正しく飲まなかったことでも除菌できないことがあり、これらは患者さんにとって不利益なことです。2次除菌成功率は80~90パーセントなので、1次除菌が不成功でもあきらめずに2次除菌治療を受けることが望まれます」。
2次除菌治療でも除菌できなかった人は、抗生物質の種類をさらに替えて3次除菌治療を行います。
保険診療が適用される場合は2次除菌治療までしか認められていないので、3次除菌治療は自費診療となります。
「除菌のラストチャンスとなるため、当外来では10~14日ほど薬を服用してもらいます」。
ピロリ菌 除菌治療の流れ