「この旅と宿が日常を豊かにするきっかけとなれば」という想いを込めて、「〜であったらいいな」という意味をもつ古語「もがな」をホテル名に。こちらは日本瓦の色を意識した客室「モガナ ブラック」(50平方メートル)。床には黒御影石を使用。吹き抜けの坪庭を彩るのはくちなしの木。春には白い花を、秋には赤黄の実をつける。白が基調の部屋もある。オーナーの美意識が詰まったモダンな隠れ家ホテル
二条城から徒歩数分の通りの一角に「モガナ」が誕生したのは2018年冬。
その間口からは想像もつかない空間が広がっている隠れ家のようなこのホテルは、早くも国内外から注目を集めています。
エントランスから続く細長い廊下は全長38メートル。無機質な素材と光の揺らぎとのコントラストが、不思議な心地よさを誘う。建築を手がけたのは山口 隆氏。“現代に甦る京町家”をテーマに、建築材から光の取り入れ方まで吟味し計算し尽くされた空間は、一見クールながら旅の疲れを癒やす静けさと落ち着きに満ちています。
朝食は部屋でゆっくりと。オーナーと縁の深い、淡路島から届く新鮮な食材を使い、ヨーロッパ、中東、日本と国境を超えた料理が賑やかに並ぶ。器も淡路島の「Awabi ware」と「樂久登窯(らくとがま)」でオリジナルを制作したそう。アメニティは、唯一このホテルだけというオーガニックコスメブランド「SHIGETA」。
そのほか、家具、調度品、器などに至るまでオーナーの審美眼が感じられ、作家や職人との強い共感がこのホテルの快適さにつながっています。
Information
MOGANA
京都市中京区小川通御池下ル壺屋町450
- 全23室 1泊2名利用で朝食付き1室5万円~(税・サービス料込み)
表示価格はすべて税抜きです。
撮影/HIJIKA 本誌・坂本正行 取材・文/河合映江
※宿泊には別途宿泊税がかかる場合があります。料金には別途、消費税やサービス料がかかることがあります。美術館の入館料は税込み価格です。表示されている宿泊料金はシーズンの最低料金です。料理は状況によって、一部メニューや食材、盛り付けが異なる場合があります。
『家庭画報』2020年3月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。