「沢煮椀に入れるうどは、まず薄くかつらむきしてからせん切りにします」と、松本進也料理長の包丁の扱いを見る永松仁美さん。「料理人のかたのように薄くむくのは、私には無理みたい(笑)」【1日目 午後】特別な料理教室に参加する
カウンターの中に入って“料理の現場”を体感
食事も楽しめて、京都ならではの食体験もしてみたい人にとお2人がすすめてくれたのが、「室町和久傳」で密かに行われている「料理の現場」。
料理人がどのような素材を選び、何を考え、作り出しているのか......それを実際に厨房に立ち、調理に参加しながら体験する、紹介制で始まった学びの場です。
春の香りが満ちる「沢煮椀」
はまぐりのだしで仕立てた、うど、きくらげ、ごぼう、たけのこ、たらの芽、菜の花、赤軸水菜を使った野菜たっぷりのお椀。野菜の食感が際立ち、苦みや香りが何よりのご馳走に。山菜は自分たちで下処理をし、かつらむきやせん切りも体験できる。「カウンターの中に入って料理人さんと一緒に料理を作っていく、ほかにない教室です。食材の知識を深めることができ、日本料理の世界観が体感できます」(永松さん)。
これまでの講座では、だしや鱧、甘鯛などを取り上げてきましたが、今回のテーマは“春の苦み”。
「山菜の下ごしらえや木の芽あえの青寄せなど、色や香りを大事にされているのですね。料理人さんの包丁は思いのほか重くてびっくり」(吉岡さん)。
分担して調理し、最後は完成した料理も味わったお2人。春の苦みを存分に堪能した様子です。
木の芽のほろ苦さが生きた「ぐじのうろこ焼き・木の芽酢味噌」
あつあつの油をかけながら、表はカリッと中はしっとり焼き上げたぐじ。木の芽味噌を生酢で溶いたソースは、ほうれん草の青寄せを混ぜる。木の芽は遠心力を使ってすると色と香りがいっそう増す。【室町和久傳】
伝統と革新性を備えた、料理とおもてなし
古い町家の佇まいの中にモダンな趣を取り入れた「和久傳」の系列店。装飾的な京料理とは一線を画す、素材をシンプルに扱い、洗練させた野趣をもって供する料理が人気です。
紹介制で始まった「料理の現場」はこの春、本誌読者限定で2日間にわたり特別開催されます。
室町和久傳(むろまちわくでん)住所:京都市中京区堺町通御池下ル東側
TEL:075(223)3200
営業時間:11時30分~13時30分、17時30分~20時(ともに最終入店)
定休日:火曜定休
URL:
https://www.wakuden.jp/ryotei/muromachi/※要予約 コース昼1万1000円、夜2万2000円~(ともに税込み)
【家庭画報読者のために特別開催する“料理の現場”のご案内】日時/2020年4月19日(日)、4月22日(水) ともに12時~16時
定員/各16名(先着順)
内容/調理実習後、7品のコース料理を賞味
価格/ペアリングのお酒込み2万7500円、ペアリングのソフトドリンク込み2万5000円(ともに税込み)
予約・お問い合わせ/室町和久傳 TEL:075(223)3200