今夏に生まれ変わる箱根のクラシック・ホテル
神奈川・宮ノ下温泉【富士屋ホテル】
140年余にわたり、箱根を象徴するクラシックリゾートホテルとして愛されてきた「富士屋ホテル」が、この夏、生まれ変わります。
富士屋ホテルの「顔」である本館は、明治24年に建築された、ホテル内に現存する最も歴史ある建物。社寺建築を思わせる瓦葺屋根、唐破風の造りが特徴的。和と洋が折衷された独特な建築は、ほぼそのままに残される。“富士屋ホテルらしさ”を継承しながら、新たな価値を創造
総支配人の溝田正憲さん曰く、「プロジェクトの全体を包括する思想は、『THE FUJIYA』です。歴代の経営者が建てた貴重な建築群に宿る“富士屋ホテルらしさ”を継承するという信念のもと、耐震性能を備えた施設で、新たな価値を創造していきます」。
よりラグジュアリーになった客室も登場
改修は、歴史的意匠を残しながら進められました。例えば西洋館では、改修工事中に明治の創建当時のものと思われる桃色の漆喰壁が発見され、それが再現されました。
4室を1室に改築した「花御殿 ペントハウススイート」など、よりラグジュアリーになった客室も登場します。
温泉や食の魅力もグレードアップ
昭和5年の富士屋ホテルの外観。この年、今も現役のメインダイニングルームが竣工した。温泉や食の魅力もグレードアップ。フォレスト・ウイング6階にスパ施設を新設し、新築のカスケード・ウイングには、大正9年建築の旧宴会場にあったステンドグラスなどを用いた新しいレストランもお目見えします。
「富士屋ホテルは、これからも100年、200年と続いていかなければなりません。オリジナルの料理を継承しつつも進化し続け、新たな富士屋ホテルのファンを増やし、皆さまにご満足いただける食事を提供いたします」と、北村雅之総料理長。
日本のリゾートホテル屈指の歴史に新しい魅力が加わる新生「富士屋ホテル」に、期待が大きく高まります。
歴史的意匠を守りながら快適性をさらに高めて、夏にグランドオープン
明治、大正、昭和の各時代に建てられた棟が並ぶ。右奥が新築されたカスケード・ウイング。耐震補強・改修工事では、文化財としての価値を優先した復原もなされ、142年目の開業記念日となる2020年夏にグランドオープン。
▼グランドオープンの注目ポイントは下の写真をスワイプしてご覧ください▼
Information
富士屋ホテル
神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下359
- 1室2名利用で1泊1室4万円~。ご紹介した「花御殿 ヘリテージルーム菊」は同18万円~(サービス料込、諸税別)。 IN15時/OUT11時 全120室
※表示価格は税抜きです。 取材・文/坪田三千代
『家庭画報』2020年04月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。