EDITOR’S REPORT 街に溢れるさまざまな情報の中から、編集部員が読者の皆さまに役立つ情報を厳選してご紹介します。新しくオープンした店や、アイディアが光る新商品、地方発の注目情報など、日々の暮らしをより楽しく、豊かにしてくれる情報がきっと見つかります。
記事一覧はこちら>> 大輪のユリの花はヒノキ、華やぎを添えるバラはカエデで。紫陽花やポアプランツなどのドライフラワーで春らしい色味をプラスするなど、相談可能。10万円~。オーダーは、要2週間~1か月。さくらんぼや米沢牛など農蓄産物が有名な山形県ですが、実は県土面積の7割以上を森林が占め、林業・木材産業も盛んです。
風雪にさらされ育つスギ、カラマツ、ブナなどは、耐久性に優れ建築資材として重宝されます。
創業から70年以上、この地で建築用の製材を行ってきた「相原木材」が、「木の優しさ、柔らかさ、温かみ。その心地よさを、普段、木との触れ合いがない人に身近に体感してもらいたい」という思いから手がける「MOKUKA」が注目を集めています。
「相原木材」に隣接する「MOKUKA・アトリエ」では多くの作品を展示します。完全予約制。贈り物に最適。左「カノン」(縦120×横120×高さ105ミリ)8000円、右「シンフォニー」(縦165×横165×高さ135ミリ)2万円。柔らかな色合いの可憐な花は、すべて国産、そのほとんどが山形県産の木で作られたもの。
硬い木材を専用の機械で0.1~0.2ミリの薄さにスライスし、手作業で花びらの形にカット、指先の感覚で波打つ曲線を造形し、花びら1枚1枚を重ね合わせ一輪を完成させます。
花びら一枚の角度によっても、花の表情は変わるもの。手作業で丁寧に作り上げられます。本物さながらに作れるようになるには、1~2年の修業を要するそう。
木材は一切着色をせず、樹種による色味の違い、木目の表情を生かし、瑞々しい花へ変身させます。
ホンツガの木目が蓮の花の条線を見事に再現。蓮の花びらの一部。なめらかなカーブは、熟練の職人による手作業のなせる業です。長年、木と向き合ってきた木材のプロだからこそ作れる美しさです。経年変化で飴色に色づく様も楽しみの1つ。
時が経ち、ほのかな木の香りがなくなれば、アロマオイルを垂らしディフューザーとして使うこともできます。
山形県庁の1階ロビーには「MOKUKA」の作品が展示。 Information
相原木材
山形市立谷川2-86-1
- ホームページから購入、オーダー可能 ※一部商品は「生活道具屋 surou n.n」(東京都中央区日本橋人形町1-12-11 リガーレ日本橋人形町1階)にて購入ができます。
表示価格はすべて税抜きです。
『家庭画報』2020年3月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。