【熱照射治療】
“熱の刺激”で機能が低下した線維芽細胞を目覚めさせる
医療でのたるみケアなら、メスを使わない照射治療が第一選択です。継続することで効果がじわじわアップする、周囲に気づかれにくい治療ともいえます。長年の症例実績をもつ、信頼のクリニックの治療法をレポートします。
【美容・医療ジャーナリスト 海野由利子さんがレポート】
奥からグッと引き締まる確かな実感のハイフ体験
石川院長の取材後、久しぶりに治療を受けました。照射機器は患者からの支持が高いウルセラを代表とする高密度焦点式超音波(ハイフ)。
超音波の振動で発生する摩擦熱を利用した治療器で、熱エネルギーを一点に集中させて皮下を刺激します。
2009年にウルセラが発売されてすぐに話題になり、たるみ治療のスタンダードとなっています。皮膚表面にダメージを与えないので、腫れや赤みが出るダウンタイムはほぼありません。
今回の治療のメインとなるウルセラは、狙う深さが3段階で設定できるのが特徴。
筋肉を包んでいるスマス筋膜にまで届いて引き締める4.5ミリ、真皮層に届いて線維芽細胞を刺激できる3ミリ、皮膚浅部を狙う1.5ミリは即効で引き締め効果が実感できるそう。
複数の深さに照射をすることで各層が引き締まり、たるみ改善効果がアップ。線維芽細胞によるコラーゲンの産生効果は3か月ほど続き真皮の弾力もじわじわ増す期待大です。
クロスクリニック銀座では、相乗効果が期待できる機器の組み合わせ治療を提案していて、さらにウルセラとは異なる2ミリの深さを狙うハイフシャワーを照射。痛みは少なく、毛穴の引き締め効果と肌をなめらかにする効果も得られるのが特徴です。
治療後も当然エイジングは進みます。定期的に治療を継続することが効果の維持やたるみの防止になりますので、効果を観察してジャッジしましょう。
【クロスクリニック銀座】
高密度焦点式超音波(ハイフ)を組み合わせて筋膜~表皮の3D引き締め効果を狙う
カウンセリングで皮膚とたるみの状態をチェック機器の組み合わせや照射の仕方(デザイン)はその人の皮膚やたるみの状態、骨格を診断して提案される。ハイフは麻酔不要なので、麻酔クリームを塗って待つ時間が不要。時短治療でもある。
ハイフシャワーは目のキワまで照射できるたるみは目の周りに現れやすいが、狭い範囲に照射可能な機器は多くない。ハイフシャワーは目のキワなど細かい部分にも照射できるのが長所。痛みや刺激はほとんどなし。1回6万円(全顔)。
10年ぶりのウルセラ。以前より痛みは少なく感じる細くてやや熱い針で肌の奥をツツツッと刺されるような感覚。個人差はあるが、痛みはそれほど強くはない。
実は10年ぶりのウルセラ。初号機よりさらに痛みが軽くなり技術の進歩を実感。照射中に皮膚に冷風をあててもらうこともできる。1回26万4400円~(全顔)。
クロスクリニック銀座住所:東京都中央区銀座5-4-9 ニューギンザ5ビル10階
TEL:0120-51-2590
診療時間:10時~19時
休診日:日曜
URL:
https://www.cross-clinic.com/※完全予約制
【みやた形成外科・皮ふクリニック】
結果を感じやすい注入治療に加え月1回の照射でたるみの“マネジメント”を行う
ヒアルロン酸注入治療で下がった頰を引き上げるヒアルロン酸注入は、目の下などのくぼみを埋めるイメージがありますが、宮田院長はリフトアップや若々しい輪郭をつくるために用いる。たるみに対し目に見える満足度を得られる。1本8万円。数本単位のリフトアップ12~18万円。たるみの症状は要因が複雑なうえ、個人差も大きいもの。
「すべてをカバーする治療はありません。気になる部位を重点的に治療しても、自然な若返りを得るために各種方法を組み合わせてもよいでしょう」と宮田成章院長。
40台を超える最新鋭の機器を揃えているのも、「さまざまな選択肢を提供したいから」と話します。
たるみを予防しながら、“やつれ顔”を解消するウルセラなどのパワフルな機器に加え、重要視しているのはテノール(RF波による治療器)を用いた老化予防治療。コラーゲン増加のほか、代謝促進、肌質改善効果が。院長がすべて治療を行う。1回2万9000円。年間の予算を決め(25万円〜)、ベストなプランを相談することも可能。
「結果を得やすい注入や、機器を最適に組み合わせた治療を提案します。たるみの“マネジメント治療”と呼んでいる、テノールによる予防治療も積極的におすすめしています」。
みやた形成外科・皮ふクリニック住所:東京都港区西新橋2-5-11 NTKビル3階
TEL:03(5510)3931
診療時間:10時~14時、16時~19時
休診日:土曜・日曜・祝日
URL:
https://www.toracli.com/※完全予約制
※初診料・カウンセリング料₁₀₀₀円
※初診予約は2か月待ち(2020年3月1日現在)
【アヴェニュー表参道クリニック】
継続治療を最優先に、照射機器を組み合わせる。脂肪が多い人には専用の対策も
最大限の引き上げが叶う照射法によるサーマクール治療高周波による強い熱エネルギーが作用し、2~3か月にわたって肌の引き締め効果が期待できるサーマクール。佐藤院長による施術は、より効果的に引き上げが狙えるポイントを中心に照射を行う。1回25万円~(全顔)。「外科手術や糸による治療に抵抗があるかたにとって、第1選択となるのはサーマクールです」と話すのは佐藤卓士院長。
「たるみ治療は、継続が何より重要。痛みやダウンタイムなどの負担が大きいと1度治療を受けてそれっきりということになりかねません。」
2か月に1度はタイトニングをサーマクールの補完として、IPL(光エネルギー)による引き締め治療のタイタンをプラス。瞬時に手応えを感じられる。1回8万円。「たるみ治療では歴史があり、長期照射による効果もしっかり確認できているサーマクールは、年々進化し痛みも軽減されています。年2回のサーマクールに、それを補完するタイトニング作用のあるタイタン。脂肪によるたるみが顕著なかたには、脂肪やせが可能なトゥルースカルプを組み合わせます」。
必要に応じて脂肪対策を行う脂肪によるたるみが顕著な人は、頰、口もと、あご下の脂肪を減らす痩身機器トゥルースカルプを行うとよい。1回6万円。アヴェニュー表参道クリニック住所:東京都港区南青山3-18-16 ル・ボワビル4階
TEL:0120-365-558
診療時間:11時~14時、15時~20時
休診日:年末年始
URL:
https://www.a6-clinic.com/※完全予約制
※初診料・カウンセリング料無料
撮影/八田政玄(取材)、田中 雅(取材) ヘア&メイク/山本浩未〈steam.〉、木下庸子〈PlantOpal〉(海野さん) スタイリング/松田綾子〈オフィス・ドゥーエ〉(人物)、高橋尚美(静物) モデル/松田珠希 取材・文/海野由利子
『家庭画報』2020年4月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。