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【病院長インタビュー】死因トップのがんの征圧に挑み続ける「国立がん研究センター中央病院」

2020.03.24

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【連載】日本の医療をリードする名病院と病院長 1981年以降、日本人の死因トップに居座る「がん」。この難病の征圧に挑み続けてきたのが国立がん研究センターです。同センターは診療部門として中央病院と東病院の2つの医療機関を有しますが、今回は中央病院の活動を紹介します。国が全国に393設置する「がん診療連携拠点病院」のハブ的役割も担う同院の使命と最新機能を中心にお届けします。記事一覧はこちら>>

第3回
“イノベーター”として未来のがん医療を創る
国立がん研究センター中央病院 病院長
西田俊朗先生


国立がん研究センター中央病院 病院長 西田俊朗先生


国立がん研究センター中央病院 病院長
西田俊朗(にしだ・としろう)
1956年、兵庫県生まれ。81年、大阪大学医学部卒業。同年、同大学医学部第一外科入局。同大学医学部附属病院教授、大阪警察病院副院長・外科系統括部長、国立がん研究センター東病院病院長などを経て、2016年より現職。臨床では希少がんの一種であるGIST(消化管間質腫瘍)の専門医として知られる。「GIST GOLS(Global Opinion Leader Summit)」のファカルティメンバーに選出され、国際的にも活躍する。

日本のがん医療と研究を牽引するフラッグシップホスピタル


日本のがん医療・がん研究の拠点として国立がん研究センターが創設されたのは1962年のことです。このとき、診療部門である中央病院も開院しました。以来、死因トップのがんを征圧するために総力を挙げて治療や研究に取り組んできました。

黎明期におけるその奮闘ぶりは、ノンフィクション作家・柳田邦男氏の名著『ガン回廊の朝』にも詳しく著述されています。

「どの時代のスタッフにも求められているのは“両手使いの医療者”です。すなわち右手で今ある医療を最大限に活用して患者さんをよりよく治し、左手で現在の医療を塗り替える未来の治療法を開発していく。これが当院に与えられた最大の使命です」と病院長の西田俊朗先生はいいます。

「エキスパートパネル」で個々に最適な治療法を探る

〔「エキスパートパネル」で個々に最適な治療法を探る〕がんゲノム医療による治療法を検討する場には治療医だけでなく臨床検査、病理、ゲノム、遺伝学などの専門家も参加し、解析結果の意義づけと治療方針が討議される。写真提供/国立がん研究センター

近年、がん治療においては、がん遺伝子の変異を調べ、患者の体質や病状に合わせて薬剤を選択する「がんゲノム医療」に大きな期待が集まっています。

日本で最初にがん遺伝子パネル検査を開発した同病院は、国のがんゲノム医療中核拠点病院にも指定されています。

「当院の研究成果をもとに、本邦初のがん遺伝子パネル検査の保険診療が認められました。しかし、遺伝子変異が見つかっても使える薬がないという患者さんには厳しい現実もあります。次の大きな目標は、1種類でも多くの治療薬を開発することで、先端医療科を中心に約450本の治験を行っています」。
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