『お金本』
渋沢栄一、夏目漱石ほか 著/左右社 2300円衣食に窮して、これだけは何があっても手放すまいと思っていた師匠・漱石の遺墨を金に換えた内田百閒。
初めて依頼を受けた出版社の原稿料が、友人の久米正雄と一緒に予想した数字の、1/5の金額だったことに仏頂面をする芥川龍之介。
「生涯いちどの、生命がけのおねがひ申しあげます。......」と、手紙で借金を依頼する太宰 治。お金がないため、20年間、冷暖房を入れるのを我慢していた森 茉莉......。
死後も作品が読み継がれている文豪であれ、人気の現代作家であれ、生きているかぎり、お金に煩わされない人などいない──
その真理が、96人の物書きによるお金にまつわる随筆、エッセイ、日記、手紙からしみじみと伝わるアンソロジー。
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『家庭画報』2020年4月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。