オリンピアンを子どもたちのガイドに
歴代の日本代表選手の名が記されたボードに自分の名前を発見した松岡さん。3大会に出場しているため、名前も3か所に。松岡さん・スーツ、シャツ、チーフ、靴/紳士服コナカ松丸 私は、オリンピックの意義やスポーツの素晴らしさは、オリンピアンが自身の体験をもとに伝えるのが一番だと考えています。ですから、今後、オリンピアンのみなさんにはぜひ、ミュージアムで活動してもらいたいと思っているんです。
松岡 どのような活動ですか。
松丸 都合のつく時間に、ミュージアムで子どもたちのガイドをしていただけたらと思っています。JOC内にアスリート委員会をつくりましたので、アスリートのみなさんの意見を聞いて、一緒に運営するような形にできればと考えています。
松岡 歴史があり、世界が1つになれるオリンピック大会に参加できたことは、僕にとって誇りであり、喜びです。オリンピアンとして、オリンピックの本質を伝えていくのも自分の役割だと感じています。応援団長の仕事などを通じて、まずは日本のみなさんの心を1つにし、さらに世界中のみなさんの心を1つにしていくお手伝いをしたいですね。
スポーツだからこそ築けた強固な組織
松岡 ミュージアムをつくる過程で、いろいろ感じられたこともあったのではと思います。特に心に残ったことを教えていただけませんか。
松丸 IOC(国際オリンピック委員会)結成から、まだ100年ちょっとなのにもかかわらず、IOCを頂点に5500ものNF(国内競技連盟)がしっかりとした組織を形づくっているというのは、すごいことだと改めて思いました。こんなことは宗教の世界にも経済の世界にもありません。やはりスポーツの力なのだと思います。
だからこそ、先達がつくってくれたこのスポーツの世界、みんなが手をつなげる世界を維持しなければなりません。かつて日本が国際連盟を脱退したとき、スポーツの世界だけは日本を仲間はずれにしませんでした。私たちはこの自立した体制を、これからも守っていかなければいけないと思います。