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楽しく学べて体感できる、日本オリンピックミュージアム。副館長の松丸喜一郎さんへインタビュー

2020.06.03

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スポーツのある人生が健康寿命を延ばす


松丸 ところで、日本は今、少子高齢化社会で、医療費もどんどん増大しています。それで消費税も上げなければという議論になっていますが、高齢化とは本来、すごく幸せなことじゃないですか? 寿命が延びているわけですから。

松岡 おっしゃるとおりです。

松丸 それなのにネガティブに発信される要因の1つは、寿命は延びたものの健康寿命は延びないために、医療にずいぶんお世話にならざるを得ないというところなんですよね。

「スポーツに親しめる環境をつくることで日本人の健康寿命を延ばしたい」── 松丸さん


松丸 そこで僕はスポーツが大切になると思うんです。みなさんがスポーツに親しめる環境をつくることで、日本人の健康寿命を延ばしたい。これが実現できたら、老後も素晴らしい生活が送れますし、医療費の削減にもつながるはずです。スポーツの果たすべき役割というのは、非常に大きいと思いますね。

松岡 スポーツで健康寿命を延ばすという考えは、僕も大賛成です。

松丸 2019年、日本でラグビーワールドカップが開催されましたが、あの大会では、「ノーサイド」の精神など、勝敗だけではないスポーツの価値も大変注目されました。そういう意味で、今の日本は、オリンピックの意義やスポーツの役割を伝えやすい状況になってきていると思います。

7月の開幕前にぜひミュージアムへ!


松岡 東京2020大会の開幕を前に、新国立競技場の目の前という最高の場所にこのミュージアムをオープンできたことを、今、どのように感じていらっしゃいますか。

松丸 幸せです。同時に、まだスタートしたばかりですから、これからが大切だとも思っています。私たち日本人には、オリンピズムを理解できる精神的なベースがあります。ぜひ、2020年7月の開幕前にミュージアムでオリンピズムを知ってもらえたらと思います。オリンピックが終わったとき、「そうか、スポーツにはこんなに力があったんだ」とみなさんに感じてもらえたら嬉しいですね。

松岡 ぜひ、そんなふうになってほしいですね。今日、ミュージアムをご案内いただいて、ここはオリンピックの歴史やストーリーを学べるだけでなく、「自分もオリンピックに参加できるんだ」と気づかせてくれる場所だと感じました。僕たちが目指す、「全員団結」へと導いてくれるミュージアムですね。

松丸 ありがとうございます。来館されるみなさんが、松岡さんのように感じてくださったら嬉しいです。

Information

日本オリンピックミュージアム

東京都新宿区霞ヶ丘町4-2 JAPAN SPORT OLYMPIC SQUARE 1・2階

  • ※日本オリンピックミュージアムは当面の間、臨時休館中です。再開日については、日本オリンピックミュージアム公式サイトにて公開されます。(この情報は、記事の配信当時のものです)

修造エール

館内を案内していただいて感動したのが、松丸さんのミュージアムに対する情熱の大きさと、展示内容の充実ぶりです。

2階のイントロダクションでは、「古代ギリシャの大会では選手が体にオリーブオイルを塗って技とともに肉体美も見せていた」とか、「クーベルタン男爵が最初に考えた五輪の配置は今の形ではなかった」といった興味深い話も紹介されていて、子どもも楽しみながらオリンピックの歴史を学べます。

歴代の大会の開会式の映像が観られるシアターやパラリンピックを紹介するコーナーなどもあり、本当にもりだくさん。ボルト選手が走るスピードを体感できるコーナーには興奮すること間違いなしです。

ぜひ、このミュージアムでオリンピックとつながりましょう!

修造エール
「修造画報」心のコラム一覧

第1回「オリンピックを“自分ピック”に!」

第2回「2020年、日本のスポーツ文化は変わります!」

第3回「選手を知れば知るほど、応援は楽しくなる!」

第4回「開会式は日本が総力を結集してつくる壮大な舞台。必見です!」

第5回「大会の成功はボランティアの笑顔にかかっています!」

第6回「オリンピックの選手村はこんなに楽しい!」

第7回「パラリンピックはすべての試合に大きな感動があります!」

第8回「ラグビーワールドカップ2019が教えてくれたこと」

第9回「男子マラソン・中村匠吾選手、服部勇馬選手にエールを送ります!」

第10回「挑励(チョレイ)!卓球男子代表に内定した張本智和選手が苦悩の末に取り戻した自信」

第11回「目指すは金メダル。卓球女子日本代表は強いです!」

第12回「僕が忘れられない、日本代表選手たちの名言」

第13回「一体感がいい!新しい国立競技場に立って感じたこと」

第14回「金メダル獲得で得られる、とてつもない自信

東京2020への道 届け!熱い思い一覧

福岡発、世界中で愛される東京2020大会マスコットが誕生!/キャラクターデザイナー 谷口亮さん

聖火リレーの“温かさ”が多くの人の記憶に残ってほしい/デザイナー 吉岡徳仁さん

東京2020を宇宙から応援するために 日本の超小型衛星を空へ!/東京大学航空宇宙工学専攻教授・工学博士 中須賀 真一さん

世界中から集まる選手のために“食のALL JAPAN”で臨みます/帝国ホテル特別料理顧問 田中 健一郎さん

東京2020で“チャレンジできる機会”をつくり、多くの人を巻き込みたい/パラ・クリエイティブプロデューサー ディレクター栗栖良依さん

仲間と交わり、気持ちよく汗をかく。それが人と人とをつなぐスポーツ最大の魅力です/日本オリンピック委員会会長 山下 泰裕さん

東京2020はデザイン界にとっても重要なイベントです/グラフィックデザイナー 廣村正彰さん
松岡 修造 SHUZO MATSUOKA
1967年東京都生まれ。86年にプロテニス選手に。95年ウィンブルドンでベスト8入りを果たすなど世界で活躍。現在は日本テニス協会理事兼強化本部副本部長として、ジュニア選手の育成とテニス界の発展に尽力する一方、テレビ朝日『報道ステーション』、同『TOKYO応援宣言』、フジテレビ『くいしん坊!万才』などに出演中。近著に日めくり『まいにち、新・修造!』。東京2020オリンピック日本代表選手団公式応援団長としても活動中。公式サイト>>
撮影/鍋島徳恭 スタイリング/中原正登〈FOURTEEN〉(松岡さん) ヘア&メイク/大和田一美〈APREA〉(松岡さん) 取材・文/清水千佳子 撮影協力/日本オリンピックミュージアム
『家庭画報』2020年4月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
この記事は、東京2020オリンピック・パラリンピック開催延期が決定する前に取材したものです。
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