エンターテインメント

中村七之助さんが語る、新たな『怪談 牡丹燈籠』の魅力

2020.04.10

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【今、この人に会いたい!】中村七之助さん ※秘蔵フォトギャラリーあり


美しい容姿と声、優れた演技力で、次代を担う歌舞伎女方の一人として進境著しい。今年5月に37歳を迎える。

十八代目中村勘三郎さんの「芸能の街・赤坂で歌舞伎を!」のひと言から、2008年にスタートした赤坂大歌舞伎。今回は、中村獅童さん、中村勘九郎さん、中村七之助さんらの出演、映像作品を中心に活躍する源 孝志さんの脚本・演出で、三遊亭圓朝原作『怪談 牡丹燈籠』を上演予定でしたが、新型コロナウイルス感染防止の観点から中止となりました。残念ながら公演は幻となってしまいましたが、楽しみにされていた方も多いと思います。せめて七之助さんが魅力を語ってくださったこの記事で、『怪談 牡丹燈籠』の世界を味わっていただければ幸いです。近頃お気に入りのリフレッシュ法も伺っています。
(※この記事の取材は2020年2月下旬に行われました)

――6回目を迎える赤坂大歌舞伎。3年ぶりの開催ですね。



「赤坂ACTシアターのこけら落とし公演として始まった、うちの父親が遺してくれた宝物のひとつです。古典から新作まで、いろいろなチャレンジができる不思議な魅力を持った小屋で、今回は歌舞伎の演目にもあるものを、源さんの脚本と演出で上演するという新たな試み。歌舞伎の『牡丹燈籠』をご存じのお客さまにも、また違った形で楽しんでいただけるかなと思っています」

――七之助さんは、圓朝の大作を新たな視点で映像化した、源さん脚本・演出の『令和元年版 怪談牡丹燈籠 Beauty&Fear』(2019年、NHK BSプレミアム)にも出演されていますね。


「(萩原)新三郎をやらせていただきました。歌舞伎では、伴蔵とお峰という夫婦がどうなっていくかというところに、新三郎とお露、源次郎とお国の話が絡むようなつくりになっているんですが、源さんの『令和元年版~』の脚本には歌舞伎では省かれているところまで書かれていて。男女関係だけじゃなく、師弟や親子の関係にも因果因縁が入り乱れている感じがとても面白くて、エンターテインメント性が高いなと感じました。新三郎に対する解釈もすごく好きでしたね」

――新三郎といえば、お露が幽霊となって会いに行く恋の相手。どういった解釈なのですか?


「新三郎は基本的に、世間知らずでちょっとポーっとした若侍なんですね。源監督のドラマではそんな新三郎が、自分にとってのお露の存在を自問自答するピュアな男として描かれていて。舞台版はまだどうなるかわかりませんが、新三郎を演じるうちの兄は、そういうピュアな役をやるのがうまいので、ぴったりだと思います。兄がもう一役演じる黒川孝助は、きれいな心を持った真っすぐな男。兄のそういう部分を全面に出せば、すごくハマるでしょうね」
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