迷い世代の身体を
すっきり見せるストライプ
キャミソールの上から羽織り、デコルテの肌を見せるとさらに大人の色香が漂います。 ジャケット34万円2種類のストライプを交互に配したジャケットは、アルマーニならではの「計算」で、体型が驚くほど美しく見えます。
ストライプは、一般的にラインの幅が狭くなると強さが出て、メンズっぽくなるのですが、こちらはストライプ自体にも太いものと細いものがあり、しかもその間隔が幅広です。これによって縦のラインは生かしつつも、柔らかな印象をキープ。肩章やダブルカフス、詰まり気味のテーラードなど、デザインにメンズライクな要素をちりばめつつ、ウエストをきゅっと絞ってシルエットはフェミニンに。
フロントのセンターの丈が短めで視線を上げる効果があるので、ゆとりのあるシルエットのボトムスでも重くなりません。この「足し算と引き算」のメリハリが絶妙なのも、アルマーニならではだと思います。
高い技術力がモノをいう
横向きタック
桜のようなほんのりとくすんだピンクは肌なじみも抜群。白やグレーのボトムスと合わせて。ジャケット12万3000円/エンポリオ アルマーニ(ジョルジオ アルマーニ)ウールの織り素材のジャケットは、アルマーニの高い技術力が如実にあらわれたデザインが見事。本来は縦に入れるタックを、あえて横に入れているのに、ウエストが出っ張って見えないのは、神業のレベルです。
上向きのピークトラペルでメンズライクにしつつ、ウエストラインと少し開いたフロントセンター部分で女っぽさを薫らせています。マニッシュを取り入れることで、一層女らしさを引き立てるのが“アルマーニらしさ”。合わせるボトムスを選ばないところも魅力です。
「人間力」を問われる
アルマーニのジャケット
第3回でも触れましたが、アルマーニの服には、作り手が理想とする女性像が明確にあると感じます。つまりお金を出してジャケットを買えば、誰でもサマになるわけではないと思うのです。
美しく着こなすためには、アルマーニ氏の提案する美意識に見合う自分になる、ということがとても大事。美しい姿勢、緩みのないボディ、高いポテンシャル、そして生き様までが問われる手強いジャケットだからこそ、それを満たそうと努力することで、流行に関係なく、むしろ年齢を重ねるほどに装うことが楽しくなり、自分自身が磨かれていく――。
迷って諦めたりする前に、アルマーニのジャケットを手に入れてみてください。その1着のジャケットが、これからのあなたのお洒落の指針に必ずなるはずです。
●お問い合わせ
ジョルジオ アルマーニ
(ジョルジオ アルマーニ ジャパン)
電話:03-6274-7070
URL:
https://www.armani.com/jp おおさわ千春/Chiharu Osawa
スタイリスト
雑誌のほか、映画の衣装デザインや女優のスタイリングなどを幅広く手掛ける。着る人に合わせた的確なスタイリングやアドバイスは、多くの女優からも信頼を得ている。
〔迷い世代の服選び〕 40代にこそ効く「ブランド力」
表示価格はすべて税別です。
撮影/大見謝 星斗 編集協力/湯澤実和子