『にちにいまし
ちょっといい明日をつくる琉球料理と沖縄の言葉』
山本彩香 著/文藝春秋琉球王朝から那覇随一の花街「辻」へと受け継がれた琉球伝統料理の第一人者として、メディアや講演を通じてその普及に努める山本彩香さんのエッセイ集。
食べ物をぬちぐすい(命の薬)ととらえ、医食同源が根づいている沖縄料理の根底には、一物全体(いちぶつぜんたい)を食べる=食材を丸ごと味わうという考え方があること。
そのことを象徴する、山本さんが料理上手の養母から伝授された「どぅるわかしー(泥沸かし)」という料理について......。
にちにいましとは“似ているけれど、さらによい”を意味する沖縄の言葉。
自然の理に適った琉球料理の知恵を、昔から伝わる教訓=黄金(くがに)言葉とともに紹介した本書のタイトルにも、著者らしさが感じられる。
「#今月の本」の記事をもっと見る>> 『家庭画報』2020年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。