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エッセイと物語の間に漂うような作品集。小野正嗣『踏み跡にたたずんで』

2020.05.15

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〔今月の本〕

『踏み跡にたたずんで』


『踏み跡にたたずんで 』

小野正嗣 著/毎日新聞出版 1700円

故郷のリアス式海岸沿いの集落を舞台に、土地が喚起する物語やその普遍性を描いてきた小野正嗣さん。毎日新聞の大分県版に発表された36の掌編を集めた本作は、エッセイと物語のあわいに漂うような作品集。


航行中の艦船が米軍機の攻撃を受け、多くの人が亡くなった終戦の年の春の記憶を老人が語る「赤い波」。

道に迷い、一夜を過ごした山中での奇妙な体験が印象に残る「幻のホダ場」。

時差ぼけの頭を抱えて向かった、かつては市の動物園だったという山の中腹にある日本庭園での出来事を描く「桜とあざらし」。

固有名詞によって限定されない場所は、夢かそれとも現実なのか。読み手の想像力に委ねる情景描写が魅力的な作品。

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表示価格はすべて税抜きです。
『家庭画報』2020年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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