ハイクレア城に暮らす〔特別編〕 ドラマ『ダウントン・アビー』で一躍脚光を浴びた英国ハイクレア城。その城に今も住む第8代カナーヴォン伯爵家のライフスタイルを、英国フリーライター山形優子フットマンが取材。貴族の暮らしに息づく英国文化をご紹介します。
(今までの連載はこちら) ハイクレア城のオリジナル・ジンが誕生!
2019年9月、映画『ダウントン・アビー』がロンドンで封切りになったのを記念し、
ロケ地となったハイクレア城では、カナーヴォン伯爵夫妻が盛大なパーティを開催しました。
世界各国から映画関係者たちがお祝いに駆けつけ、城内や庭に笑い声が絶えない1日となりました。その日、振る舞われたドリンクは「ハイクレア・カッスル・ジン」、伯爵夫妻が開発したオリジナルのジンです。
8代目伯爵と、レディ・フィオーナ。「オリジナルのジンの構想は、以前から夫と考えていました。ふたりで試行錯誤を繰り返しながら3年もの歳月をかけて、ようやく納得のいくテイストに仕上がったのが2019年6月です」と微笑むレディ・フィオーナ。
ジンのベースは、創業1800年代という伝統を持つ英国でも有名な酒類ブランド「ロンドン・ジン」ですが、フレーバーはハイクレアならでは。
実は今、ロンドンでは自家製のオリジナル風味のジンを作るのが流行しています。市販のウォッカやジンに、自分のお気に入りハーブや花などを仕込み、他にはない独自のフレーバーで客人をもてなすのが粋なのだとか。そのための様々なレシピや簡単なキットも出ているほどです。
愛犬も嬉々として走り回る、伯爵夫人お気に入りのハーブガーデン。初夏になるとイングリッシュ・ラベンダーが美しく咲き誇る。