——以前、演じる役の言葉を読んで受けた感覚をそのままセリフに乗せたいとおっしゃっていました。漫画や映画の櫂の言葉からどんな感覚を受けましたか?
「基本的には淡々としゃべってる感じをすごく受けていて。人からしてみたら無愛想に感じる瞬間もあるのかもしれませんね。あとは、天才特有なのかなと思うんですけど、自分の頭の速度が一般的な常識だと思っているから、周りがついてこれないような発言が多いのかなと感じます。だから舞台でも、ちょっと周りを置き去りにするぐらいがいいのかなと思ったり」
——セリフ覚えが遅いとも伺いました。今回は専門用語も多いので、より大変なのでは? 何か対策は考えていますか?
「数式のほうは繰り返すしかないんだろうなと思っています。だから、台本が届いた時点で、何を書くのかとかも繰り返し言葉にしてみるっていうことをすると思うんですけど、そうなってくると慣れが発生しちゃうんですよね。それが嫌で、いつもは繰り返しすぎないぐらいにはしていて。頭でシミュレーションしたとしても、言葉にしないとか。でも、今回は数式を繰り返すことになると思うので、そこは鬼門になるかなと。慣れていたとしても、頭で考えながら計算していることを表現しなければいけないと思うので。いつもと違う神経を使いそうな気がします(笑)」
慣れは後半になるほど出てくるものだけに、「いつも以上にまっさらな気持ちで舞台に立つことを心がけなければいけないと思います」。