――小関さんが演じるのは、天才ピアニストと称されながら、母の死をきっかけにピアノが弾けなくなってしまった高校生(原作では中学生)の有馬公生。共感する部分はありますか?
「原作を読んだときから、もし自分がそうだったら……と考えて、逃げ場のない迷路にいるような気持ちになったり、どうしたら報われるんだろう?と思ったりしたくらい、のめり込んだ素敵な作品なので、台本も自然と自分に置き換えて読んでいました。公生は、同じ高校のヴァイオリニスト宮園かをりの計らいで、久々にステージに立つんだけれども、途中で弾けなくなってしまうんですね。僕にも、自分に自信が持てない、でも本番は待ってくれないし……みたいな時期があったので、そういう点でもちょっと気持ちがわかるというか。悩みやトラウマみたいなものは誰にでもあると思うので、共感できる人は少なくない気がします」
――物語は、そんな公生をはじめとする登場人物たちが、恋や友情、そして音楽を通して成長していくというもの。音楽も魅力的です。
「キャッチーな曲が結構たくさんあるんです。去年の12月の『FNS歌謡祭』で、楽曲のほんの一部をメドレー形式に構成したものを披露させてもらったんですが、いろいろな方が“ポップな曲だったね”とか“すぐに口ずさめる”と言ってくださって。劇中にはクラシックの有名な曲もたくさん出てくるので、そこも楽しんでいただけると思います」
作詞・作曲を手がけるフランク・ワイルドホーンは、ミュージカル『ジキル&ハイド』『スカーレット ピンパーネル』などを生み出した人気作曲家。随所で使われるクラシックの名曲との融合も聴きどころ。