頻尿や尿失禁の経験者の中には長時間トイレに行けないこと、トイレが見つからないことが恐怖で外出を控えたり、外出に備えて水分摂取を減らしたりする人もいます。
「このような理由で膀胱に尿があまり溜まっていないのに排尿する習慣がつくと、膀胱の収縮力が弱まり、さらに頻尿や尿失禁が進むことがあるといわれています。
排尿の我慢のしすぎは膀胱炎を招く一因となるため、気をつけなければなりませんが、頻尿や尿失禁がちょっと気になるというくらいの時点でDFreeを使ってもらえるといいと思います。
トイレの回数や間隔、膀胱に溜められる尿量の変化などのデータがアプリに表示され、自分の排尿のパターンがつかめるようになります」と中西さん。
夜間だけ、あるいは外出時や旅行中に使う人もいるそうです。
泌尿器科医とともに排尿を少し我慢して膀胱の機能を上げるトレーニングプログラム「尿トレ」も作成し、コンテンツを提供しています。
一方、自分でトイレに行くのが難しい人、尿意を周囲に伝えられない人の場合は、介護をする人が定期的にトイレに連れて行く、あるいはおむつに排尿することがほとんどです。
DFreeを使うと適切なタイミングでトイレに行けて、介護される人も介護する人も心身の負担が減ります。
「自分でトイレに行くだけでもちょっとしたリハビリになります。おむつを嫌がっていた男性がDFreeを使うことでご本人もご家族もストレスが減ったという声も届いています」と中西さん。
介護施設向けには、複数の入居者の排尿支援のための別のソフトウェアを用意しており、別企業の眠りの深さを測るデバイスのデータと連携して、入居者を適切なタイミングで起こしてトイレに誘導する施設もあります。
「お年寄りが夜間にトイレに行こうとして転倒し、それが大きな怪我につながる場合もあります。この問題の解決の一助になれば」。
超音波で膀胱に溜まった尿の量を検知して通知
(1)センサーを同梱されている装着用テープかシリコン樹脂のパッドで恥骨の1~2センチ上に貼る。アプリはあらかじめダウンロードして、セッティングしておく。本体はクリップで衣服などにつける。
(2)センサーから上下4方向に超音波が出て、膀胱の膨らみを常時測定。本体を介してスマートフォンのアプリにデータを送る。
(3)アプリにデータが送られ、尿の溜まり具合が記録される。設定した数値に合わせて、通知が届く。排尿したタイミングでアプリ上に記録をつけると、排尿の回数や間隔はアプリに自動で保存されていく。