――逆行している時期は、何か実感があるのでしょうか?J:例えば火星なら「やる気」、土星なら「試練」のように、私たちに影響をもたらす惑星一つひとつのエネルギーは、至ってシンプルだと言えます。それが逆行したところで、惑星本来の働きが鈍くなったり、ゆるくなったりする程度だと考えれば良いと思います。
とはいえ、影響力の強い惑星が逆行すれば、今まで進んでいたことが止まったり、覆ったりする可能性もあるので十分に注意しなければいけないのは確かですが。
逆に予測するのが難しく、かつ大事なのは、惑星と惑星が重なったり、ぶつかり合ったりする、「角度(アスペクト)」だと思います。性質の異なる惑星同士が介入して引き起こす、変化や可能性の方が重要ということです。
――11日~15日に起こる3つの「逆行」ではどんなことが起きるのでしょう。J:まず11日の土星の逆行では、「今まで正しいと思って疑わなかったことに対して、急に疑問が浮かんでくる」ことがあるかもしれません。
出来事として起こる場合もあれば、“今のままで自分は正しいのか”と疑ってしまう、また、それによって決意が揺らぐようなことがあるかも。
例えば、長年付き合って結婚すると思っていた人から、「友達に戻ろう」と言われ、それもありかもしれないと自らも思う一方で、でもまだ納得できない、というような。
つまり、自分にとっての物事の着地点(ゴール)のイメージが二転三転するようなことがあるかもしれないというわけです。(土星の逆行は2020年9月29日まで)
次に13日の金星の逆行ですが、「今まで自信があったことに急に自信がなくなる」。例えば、彼に好かれていると思っていたが、実はそうでもないみたいだ、とか。
しかし、この日はほぼ同時に水星が本来の室(しつ)
※2である双子座に入り、水瓶座の土星とソフトな角度を形成
※1することから、迷いが消えたり、考えに整理がつくこともある気がします。
※2 占星術で用いる概念の一つ。ハウスともいう。惑星が本来の室に入るとより力が発揮される。例えば、“いろいろな情報に今まで散々翻弄されてきたけれど、ここからそんなに迷わなくなる”、とか。あるいは、“恋人の稼ぎはイマイチだけれど、でもそこを期待しなければ、まぁ悪い相手ではないのでは?”とか。
華やかさは減るものの、現実をちゃんと見られるようにもなりそう。(金星の逆行は2020年6月25日まで)
最後に15日の木星の逆行では、「未来に向かって推進してきたことに迷いが出てくる。もしくは順調に進んでいたことが急に振るわなくなる」。例えば、右肩上がりだったことが下がり出す、というようなことがありそうです。
ただ、同じ日に太陽(目的)と冥王星(死と再生)がソフトな角度を形成する
※1ことから、「ボツになっていたプランが見直される」こともあるかもしれないし、完全に前向きというわけではないが、ここから徐々に延期になっていたことが再開していくこともありそうな気がします。(木星の逆行は2020年9月13日まで)