パリの名門料理学校「ル・コルドン・ブルー」を首席で卒業し、出張料理人として世界中のVIPをうならせてきた狐野扶実子(この・ふみこ)さん。現在は東京とパリを行き来しながら、料理プロデューサー・食ジャーナリストとして活動されています。
世界を舞台に活躍する狐野さんがフランスで出合った、シンプルかつおいしくて喜ばれる家庭料理の味を、ご紹介してきました。
今回は、暑い夏にぴったりのフレンチカレーがテーマ。食材のうまみを出して豊かな香りをまとわせ、小麦粉を使わずにさっぱりと軽やかに仕上げています。
海老のピスタチオカレー
小麦粉を入れずに仕上げた、フランス料理のソースのようなカレーです。バターの代わりにココナッツオイルを使っているので、さっぱりとした仕上がりになります。
【材料(4人分)】
・海老(冷凍) 約20尾
・生のピスタチオ(殻と薄皮を除いたもの) 100g
・玉ねぎ(薄切り) 300g
・ココナッツオイル 大さじ2と1/2
・にんにく(薄切り) 3かけ
・A[クミンシード小さじ1、ガラムマサラ小さじ1/2、白こしょう(粉末)小さじ1/2、ターメリック小さじ1/8、しょうが(薄切り)20g]
・鶏のブイヨン(または水) 300ml
・プレーンヨーグルト 80g
・カルダモンパウダー 小さじ1弱
・塩、こしょう 各適量
・コリアンダーなど好みのハーブ 適量
・バゲット(薄切り) 適量
【作り方】
(1)鍋にココナッツオイル大さじ1と1/2を熱し、玉ねぎと塩ひとつまみを入れてさっと炒め、玉ねぎがしんなりとしたらふたをして弱火で10分ほど蒸し煮にする。玉ねぎが鍋底につくようなら水を少し加える。にんにく、塩ひとつまみを加え、さらに10分ほど蒸し煮にする。
(2)(1)にAを加えて2~3分炒める。ピスタチオ、鶏のブイヨン、塩小さじ1を入れてさらに1~2分煮る。火からおろして粗熱を取る。
(3)(2)にヨーグルトを加えてミキサーにかける。塩加減をととのえる。濃度が高ければ水を加える。仕上げにカルダモンパウダーをふり入れて混ぜる。
(4)海老は殻をむいて背わたを取り、軽く塩、こしょうする。フライパンにココナッツオイル大さじ1を熱し、海老を炒める。
(5)(3)のカレーを温めて海老とともに器に入れ、ハーブをあしらう。バゲットを添える。
※ココナッツオイルの代わりに、グレープシードオイルやバターを使ってもよい。
※生のピスタチオは製菓材料店で手に入る。
アーモンドとカシューナッツのチキンカレー
生のナッツ類にはしっかりと火を通しますが、茶色く焦がしてしまうとカレーも茶色くなってしまうので要注意。小麦粉を使わない、さらりと軽やかなカレーです。
【材料(4人分)】
・A[生のアーモンド(皮なし)50g、生のカシューナッツ50g、こぶみかんの葉1~2枚(またはローリエ1枚)、丁子(ホール)1粒]
・ココナッツオイル 大さじ2と1/2
・玉ねぎ(薄切り) 350g
・B[にんにく(薄切り)1かけ、しょうが(薄切り)20g、青唐辛子1~3本、カルダモン(粒、軽くつぶす)4個、白こしょう(粉末)小さじ1/2]
・鶏のブイヨン(または水) 300ml
・プレーンヨーグルト 300g
・バスマティライス 300g
[ココナッツオイル大さじ1、クミンシード小さじ1/2、ローリエ1枚]
・鶏むね肉 1枚
・塩、こしょう、片栗粉 各適量
・紫玉ねぎ(薄切り)、コリアンダーなど好みのハーブ 各適宜
【作り方】
(1)鍋にココナッツオイル大さじ1と1/2を熱し、Aを入れて弱めの中火で約5分炒める。玉ねぎ、塩小さじ1/2を加えてよく混ぜ、2~3分炒めたら弱火で10分ほど蒸し煮にする。玉ねぎが鍋底につくようなら水を少し加える。
アーモンドとカシューナッツは玉ねぎの前に炒めると香ばしさが際立つ。(2)(1)にBと塩ひとつまみを加え、3分ほど炒める。鶏のブイヨンを加えて火を強め、沸騰したら火からおろす。こぶみかんの葉と丁子を取り出し、プレーンヨーグルト、塩小さじ2~2と1/2を入れてミキサーにかけ、鍋に移す。
(3)バスマティライスは水でさっとすすぎ、水気をきる。別の鍋にココナッツオイルを熱し、弱火にしてクミンシードを入れる。
1分ほどしたらローリエ、バスマティライス、塩ひとつまみを入れ、全体に油がまわって温まる程度に炒める。
水450mlを注ぎ、中火にしてふたをし、沸騰したら弱火にして約8分火を入れる。水分がほとんどなくなったら火を止め、ふたをして5~6分蒸らす。全体をほぐすように混ぜる。
バスマティライスの香りづけのために、まずココナッツオイルでクミンシードを炒める。(4)鶏肉は食べやすい大きさに切り、塩、こしょうして片栗粉を軽くふる。フライパンにココナッツオイル大さじ1を熱し、中火で鶏肉を炒める。
(5)(2)に(4)の鶏肉を加えて温める。器に盛り、好みで紫玉ねぎやハーブをあしらう。(3)のバスマティライスを添える。
※ココナッツオイルの代わりに、サラダ油やバターを使ってもよい。
※こぶみかんの葉がなければローリエ1枚を使ってもよい。
※青唐辛子は辛さの好みに応じて分量を調節する。
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