春の庭の主役は、もちろんチューリップ
八重咲きのチューリップ‘アンジェリケ’と‘クリスピオンスイート’、ピンクのリナリア‘グッピー’が、ふんわりボリューム感のある景色を生み出します。チューリップというと、一面を埋め尽くすように植えられた景色が有名ですが、この庭のチューリップガーデンの美しさは、それとはひと味違うものです。
チューリップの足元にビオラやパンジーを植えて、花色合わせをするスタイルはよくありますが、「ラ・カスタ ナチュラル ヒーリング ガーデン」では、そのビオラ&パンジーを使わない、というのが開園以来のお約束。
ほかの庭と同じような印象になっては、お客さまに新鮮な感動を与えられないから、というのが理由です。
ビオラ&パンジーの代わりに利用するのが春の小花で、その年のチューリップガーデンのデザインによって、種類は変わります。
シーズンガーデンではチューリップと一年草が美しく共演!
庭のあちこちにチューリップが咲くかわいらしい景色がありますが、もっとも多く球根を植えているのが、カフェの前に広がるシーズンガーデンです。
カフェ側から見たシーズンガーデンの様子。花壇手前はパープルと白、中央はパープルと赤、とエリアごとに花色合わせを替え、歩みを進めるごとに色合いの変化が楽しめます。2020年のシーズンガーデンは、チューリップは濃淡ピンクとシックな黒紫の組み合わせがメイン。
それをより美しく引き立てる花として、ふんわりときれいな色の花がたくさん咲くリナリアの淡いピンクと紫、かわいらしいピンクのデージーやワスレナグサ、濃いピンクのキンギョソウ、白地に紫のドットが入るネモフィラなどを選んでいます。
土壌成分のバランスが崩れないよう対策
家庭菜園で野菜を栽培している方はよくご存じかと思いますが、同じ種類の野菜を続けて栽培していると、土壌成分のバランスが崩れて生育に障害が出ることがあります。
これを連作障害といいますが、じつはチューリップにもその連作障害が起こることがあるのだそうです。
そこでシーズンガーデンでは、チューリップを多く植える年と、チューリップを少なくし春の草花を多く植える年を交互に繰り返すことで、連作障害を防ぐという方法を試しているそうです。
これだけチューリップが華やかに咲いていても、じつは今年は少なくした年だそうで、そういえば2019年は白と赤のコーディネートでチューリップの密度が高く、まったく異なる印象だったなーと思い出しました。
一年草が多めの2020年は、チューリップと小花の対比の印象が強く、また、どこかナチュラルな風情があり、個人的にはとても魅力的に感じられました。