夏のお茶の時間にお出ししたい、涼やかな和菓子をご自宅で手作りしてみませんか?
ご紹介する「水ぼたん」は、本葛粉を練って紅餡を包み、茶巾絞りにします。特有の香りと口当たりの滑らかさ、透明感を楽しんでください。
こし餡を包んで桜の葉で巻いて「葛桜」(4月)、中の餡を紫にして「朝露」(7月)など、さまざまに応用がききます。
茶道裏千家教授の資格を持ち、兵庫県明石市で茶道と和菓子の教室「さろん閑遊」を主宰している清 真知子(きよし・まちこ)さんに、作り方を教えていただきました。
(1)6月の主菓子「水ぼたん」の作り方
地下茎のでんぷんを使っています。純粋なものは弾力、風味、滑らかさに優れています。高価ではありますが、ぜひ良い材料を使ってチャレンジしてみてください。
【材料(12個分)】
・本葛粉 70g
・上白糖 120g
・水 200g
・紅餡(
白餡を食紅で紅に染めたもの) 240g(ひとつ20g)
・熱湯 100g
【準備】
紅餡を12等分して餡玉を作る。
【作り方】
(1)ボウルに本葛粉と上白糖を入れ、分量の水を加えてよく溶かす。漉しながら鍋に移す。
(2)(1)を中火にかけて、常に鍋底をかき混ぜながら火を入れる。少しずつ透明なものが混ざってくる。
(3)乳白色の糊状になってきたら弱火にし、熱湯の半量を加えて練り合わせる。
ポイント◆2度に分けて熱湯を加えて練るのは、生地にムラができるのを防ぐため。(4)再び糊状になったら残りの熱湯を加える。水分が吸収されたら火を止め、透明感が出るまで余熱で練り上げる。
(5)固く絞ったガーゼを広げ、(4)の葛生地を熱いうちに大さじ2杯分くらい置き、指に水をつけながらのばし広げる。
(6)餡をのせて、両側から葛を合わせる。
(7)90度回して持ち替え、もう一度両側から葛を合わせ、紅餡を包む。
ポイント◆必ず葛生地同士がくっついて、中の紅餡が見えないように包む。(8)ガーゼを絞ってしっかり口を閉じる。同様にして全部で12個作る。
(9)(8)を水に落とし、固める。
ポイント◆葛が濁るので、氷水は使わない。(10)完全に冷めて固まったら、ゆっくりガーゼから外す。濡れ布巾を敷いた蒸し器に閉じ口を上にして並べて5分蒸す。
(11)バットに菓子をのせ、食べる直前に氷にのせて冷やす。
ポイント◆葛は冷やしすぎると硬くなるため、冷やすのは30分以内にとどめる。【保存法と日持ち】
常温で保存。作ったその日のうちに食べ切る。冷蔵、冷凍保存はできない。
清 真知子/Machiko Kiyoshi
1960年神戸市に生まれる。83年裏千家学園茶道専門学校卒業。96年神戸市内に、2002年に東京・学芸大学に和菓子教室を開く。現在、茶道裏千家教授、茶道と和菓子の教室「さろん閑遊」を主宰。デモンストレーションと実技で構成される和菓子教室は、季節感溢れる美しい和菓子が初心者でも上手に作れると好評を博している。2014年兵庫県明石市に教室を移転。
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清 真知子 (著)
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撮影/浮田輝雄