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きものの文様【橘(たちばな)】不老不死の理想郷に自生する、長寿を招く植物

2020.07.06

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きものの文様 きものに施された美しい「文様」。そこからは、季節の移ろいを敏感に取り入れてきた日本人の感性や、古来の社会のしきたりを読み解くことができます。夏の文様を中心に、通年楽しめるものや格の高い文様まで、きもの好きなら一度は見たことのある文様のいわれやコーディネート例を、短期集中連載で毎日お届けします。記事一覧はこちら

今日の文様36
橘(たちばな)




古代日本の橘は蜜柑(みかん)のことです。『古事記』には不老不死の理想郷である「常世(とこよ)の国」に自生する植物と記されており、橘は長寿を招き、元気な子どもを授かると信じられてきました。正月の鏡餅の上に蜜柑がのせられるのもそのためです。また、婚礼衣装や掛け袱紗(ふくさ)などに橘が意匠化されて用いられているのも、そうした由来によるものです。


文様化されるのは平安時代からです。不思議な力を持つ常世の国で育つ橘は、つぼみと花、果実が同時になる植物とされ、文様にも花と果実が一緒に描かれます。

橘文(たちばなもん)



新春のお出かけに
印象的な橘の実や葉を大小描いた華やかな小紋は、新年の挨拶や新年会に。白地に有職文様を織り出した帯と合わせてすっきりと装います。


京都御所の紫宸殿(ししんでん)に植えられた「右近の橘」はよく知られています。吉祥文様の多くは中国から伝わったものですが、橘は日本で生まれた数少ない文様のひとつといわれています。一般的に果実をつけた橘の木そのものが文様化されるのが特徴で、江戸時代には、熨斗(のし。記事はこちら)や鶴菱(つるびし。記事はこちら)などの吉祥文様と橘を組み合わせた小袖が人気を呼びました。現在はきものや帯に広く用いられています。


気軽なお祝いの席に
実のなるめでたい橘文の帯と芽吹きを表す若葉の小紋は、婚礼の支度などに用意したい縁起のいい組み合わせです。

【向く季節】
通年、冬、正月


「#きものの文様」記事一覧はこちら

きものの文様

今回ご紹介した文様を含め、300以上もの文様を掲載。文様の歴史や意味が豊富な写真によってよくわかり、体系的に勉強することができます。きものを着る場合判断に迷う格と季節が表示され、こんな場所にお出かけできます、とのコーディネート例も紹介しています。見ているだけで楽しく役に立つ1冊。
書籍きものの文様
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