新しいアウトドアの形 注目のグランピング 第4回(全5回) グランピング(glamping)とはグラマラス(glamorous=魅惑的な)とキャンピング(camping)を合わせた造語で、自然の豊かさを肌で感じながら、快適な部屋に宿泊する新しいリゾート旅のスタイルのことをいいます。その起源は古く、17世紀に英国の貴族たちが狩猟を目的に訪れたアフリカで設営した、豪華なテントともいわれています。日本国内にも数多くの施設ができる中で、家庭画報本誌が考えるグランピングとは、食事やアクティビティは屋外で楽しみ、宿泊は快適な設備の整ったラグジュアリーなホテルで、というスタイル。島、川、海、森、4つのロケーション別に厳選した国内のグランピングと、手つかずの大自然や絶景が楽しめる海外のグランピングへご案内します。
前回の記事はこちら>> ※以下の記事は、『家庭画報』2020年6月号取材当時の情報です。営業時間等は変更となっている場合もありますので、最新の営業状況等はお店の公式ホームページ等でお確かめください。 【海のグランピング】
──リビエラ シーボニアマリーナ
(神奈川県・三浦市)
ヨットグランピングを体験された田邊さんご一家。ヨット前方部に設けられたテラスのような空間で、ウェルカムドリンクを。デッキやフロントネットでのびのびと過ごせる。〔着用衣装 左から〕麻里子さん:カーディガン6万2000円 ハイネックノースリーブ3万8000円 パンツ7万円/すべてクルチアーニ ピアス1万5000円/ラクア(チェルキ) 聖子さん:ニット9万2000円 パンツ7万8000円/ともにペセリコ(ウールン商会) ネックレス2万円/ラクア(チェルキ) 茂絵美さん:ワンピース5万8000円/ストラスブルゴ 肩にかけたカーディガン7万円/クルチアーニ風に吹かれながら
シェフ特製の贅沢な味を
三浦半島の南端に位置し、近くに小網代の豊かな森が広がる「リビエラシーボニアマリーナ」。ヨットハーバーの聖地として由緒あるこのマリーナでは、ほかにはない洋上グランピングが楽しめます。
食事は、マリーナのレストランで人気のあるメニューをアレンジした相模湾の幸が満載のブイヤベースをメインに、野菜のスティックや季節のフルーツなど地元の食材を主役にした料理がテーブルに並ぶ。大型カタマランヨットを一日借り切って、どう過ごすかはゲストの自由。事前に、目的やメンバーの希望を伝えてプランが完成する、究極のオーダーメイド・グランピングです。
料理はマリーナのシェフが担当。下準備された食材をヨットが係留されているところまでボートで運んで、自分の好きな時間に船上で食べることができる。この日は、ヨット愛好家の田邊麻里子さんご一家に体験していただきました。長女の茂絵美さん、長男の陽太郎さん・聖子さんご夫妻、そして麻里子さんの愛犬パフも一緒です。三浦半島の味を堪能するプランを計画しました。
「今でも毎月レースに参加するほどヨット好きですが、こんな優雅な楽しみ方があるとは知りませんでした」と麻里子さん。相模湾の恵みとシャンパンとともに、家族の会話も弾みます。
豪華なブイヤベースに麻里子さんが「相模湾で伊勢海老がとれるのね」といえば、「香りもよくておいしい」と茂絵美さん。左・船内にはキッチンがあり、あつあつのブイヤベースがいただける。右・ヨット後方デッキにあるオープンエアのテーブルで食事を満喫した後は、中のリビングでくつろぎながらコーヒータイムを。雄大な富士山を望む美しい夕暮れの時
富士山が夕日に赤く染まる光景はスペシャルギフト。地元の滋味を堪能した後は、それぞれ洋上のひとときを楽しまれた田邊さんご一家。このマリーナが誇る絶景の1つ、富士山と夕日を目におさめてから下船されました。
「久しぶりに家族揃って海の上で過ごして、幼少の頃、ヨットに滞在した夏の思い出が甦りました」と茂絵美さん。初のヨット体験だった聖子さんも、「気持ちよくて、最高の時間でした」と答えてくれました。
名残尽きぬまま、締めくくりは焚き火。ホットワインとマシュマロ焼きが楽しめます。
ヨットグランピングの最後はプールサイドでの焚き火がおすすめ。天候が許せば、“ポンツーン”と呼ばれる浮き桟橋の上で行うことも可能。焚き火を囲みながら麻里子さんが「実は、長くここにうちのヨットを停めていたことがあるんですよ」と教えてくれました。陽太郎さんも「ここは、昨年亡くなった父と家族の記憶がたくさん残る場所。懐かしかったです。今日、また幸せな思い出が増えました」。
家族の絆が深まった一日となったようです。
●リビエラシーボニアマリーナ(ザ・リビエラリゾートクラブ)神奈川県三浦市三崎町小網代1286
TEL:046(882)1286
HP:
https://www.riviera.co.jp/marina/glamping/ザ・リビエラリゾートクラブの会員のみが体験できる、1日1組限定の特別な「リビエラ ヨットグランピング」。要予約のオーダーメイドプラン。詳細はお電話でご相談ください。料金はオーダーによって変更されます。通常会員のみですが、誌面をご覧になった家庭画報サロン会員さま限定で、1回のみお申し込み可能です。2021年3月末まで。天候などの事情により、ご希望日に沿えない場合があります。 表示価格はすべて税抜きです。
撮影/松川真介 スタイリング/岡本真規子 ヘア&メイク/仲嶋洋輔、白川生美〈Perle management〉 取材・文/小倉理加
『家庭画報』2020年6月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。