お出かけ先で、針と糸の二役を担う安全ピン
【Moon Silk Kimono Gallery/店主・ロマノ眞由美さんのお出かけ必需品】
「Moon Silk Kimono Gallery」の店主、ロマノ眞由美さんのお出かけ必需品の一つに、安全ピンがあることを教えてもらいました。
写真左・安全ピンは長襦袢に負担がかからないよう、なるべく小さなサイズがよいそうです。洋服を購入した際、タグなどについている小さな安全ピンもおすすめとのこと。写真右・安全ピンは小さな缶の中に、音が出ないようティッシュで包んで携帯。ロマノ眞由美さん(以下、敬称略)「出かける前は気にならなかったのに、外出先で長襦袢の袖口がちらりと出てきてしまったこと、ありませんか? 長襦袢はきものに合わせてお仕立てしますが、いただきものや、きものと合っているはずでも、その日の着方によって袖が見えてしまうことも。
そんな時は安全ピンの出番です。長襦袢の袖山の中心あたりを安全ピンでつまむと、応急処置ができますよ。
知らないうちにきものが縮んでいることもありますし、何かの拍子でヒップあたりの縫い目が綻ぶこともあるかもしれません。そんな時も安全ピンが針と糸の二役を担ってくれます。一緒にお出かけしたお友達にも使ってもらえるようにと4〜6個は常時持っています」
この間は大丈夫だったのに、どうして今日は長襦袢が袖から見えてしまうのか、不思議に思っていたのですが、着方によって見えてしまうこともあるのですね! 針と糸の二役を果たしてくれる安全ピン。早速ポーチに追加します。
そしてロマノさんも、手拭い選びを楽しんでいらっしゃいました。
きものの装いだけではなく、小物に関しても、季節やお出かけの場所、お会いする方のことに想いを馳せて色や柄を選ぶそうです。手拭いは季節だけでなく、色々なモチーフの柄をいくつもお持ちとのこと。ロマノ「よく、ハンカチがわりに手拭いを使うことがあります。季節や場所に合わせて手拭いを選ぶとおしゃれですよ。以前、長唄のお稽古に三味線の柄が入った手拭いを持って行ったら、先生にとても喜んでいただきました。
きものと帯だけでなく、小物もシチュエーションに合わせて選ぶと、お出かけの準備から楽しむことができますよ」
●達人の雨じたく 04●
多少の雨なら大島紬にお任せ
ロマノさんが雨の日によく着ている大島紬は、お母様のお下がり。サイズが合わなかったので、八掛の色を変えて仕立て直したそうです。グレーの地と柄の優しい配色が上品な雰囲気。足袋カバーはとても便利ですが、私は歩きにくく感じてしまうので使っていません。その代わり、替えの足袋を必ず持つようにしています。また着て行く場所にもよりますが、多少の雨ならコートを持たず、水に強い大島紬を選ぶことも。大島紬は糸の性質上、湿気による縮みがほとんど気にならないので、小雨対策になります。このきものは母から譲り受けたもの。着るたびに母のことを想い出すので、着ているととても幸せな気持ちになります。
Moon Silk Kimono Gallery栃木県那須塩原市若葉町2-13
TEL:0287-62-6164
URL:
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